情熱を燃やして残ったもの
実家に帰省した。ふと自分の部屋を見渡す。本棚にある段ボールが視界に入った。そういえば学生の頃に読んだ本はまとめてしまってあるんだっけ。
段ボールを開けてみると、
中には 青春が詰まっていた
物理を志した高校時代に読んだブルーバックスを始めとする科学啓蒙書。
学部生の頃、好奇心まかせに読んだ言語、認知科学の本。
買ったもののさっぱり理解ができなかった坂田昌一や湯川秀樹の著書。
イキって買ったファインマン物理学の原書。
恋をしたいシーズンが訪れるたび、やるせない気持ちをぶつけていた恋愛小説たち。(おっと、筆がすべった。)
読んでいた当時の自分がフラッシュバックする。すごく”エモい”体験だ。
僕は社会人になった。
多くの勤勉な大学生は、学問の王道からは外れ、社会へと出る。
僕もその一人になった。
当時、有り余るエネルギーのほとんど全てを注ぎ込んだものは、
もう表には顔を出さないだろう。
だが、情熱を燃やした経験と共に、血となり肉となり今の僕を作っている。
過去の延長線上に現在があるのだ。
過去の自分を否定したくないから、このように思うのかもしれない。
しかし、本当に、好奇心に任せた行動は他を寄せ付けない強力な自分の武器だと実感している。
情熱を燃やして残ったもの。それは現在の僕自身だろう。
熱中できるものに出会い、自身の才能に限界を感じ、その分野で食っていける自信を無くした。そんな過去をお持ちの読者なら共感していただけるだろうか。
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