最近考えてたこと
はじめに
先日私が運営しているXのコミュニティ「全日本AIアート同好会」を「全日本コンセプトアート同好会」に変更しました。
突然のお知らせになってしまい申し訳ありませんでした。
これに関しては2023年の頭ごろからずっと考えていました。
継続して見守るべきか、改変すべきか、はたまた閉鎖するべきか。
結論としては自分が運営するものとして適切ではないと判断しコミュニティ内容を変更することにしました。
Xで変更の旨を告知した際に色々な意見を頂いたのでこの考えに至った経緯みたいのをもう少し詳しく説明させていただこうと思います。
経緯
先日のツイートで私は画像生成AIに対して興味を失ってしまい今後使用していく予定もないと投稿しました。
その主な理由は画像生成AIサービスの特性によるものが大きいです。
全てとは言いませんが、画像生成サービスの中にはアーティストの著作物を無断で学習利用している物があります。
生成されたものを見ると明らかに特定の作品やアーティストを模倣しています。
これに関しては自分の勉強不足もあり、段々と情報を知っていくにつれて使用する事自体に疑問を持つようになりました。
知り合いのアーティストもたくさん被害にあっていて、自分としても今後そういったサービスの利用を応援、推奨していくことは出来ないなと思っています。
近所に突然できた素敵なレストラン、調理も早いし美味しいから通っていたのに実は隣の畑から盗んだ野菜で料理作ってました。みたいな気持ちです。
正直被害にあっているアーティストのことを思うと画像生成事態にワクワクや興味もなくなってしまいAI情報を発信する立場の人間としても適任ではないなと考えました。
しかし非常に難しいポイントが問題あるサービスと問題ないサービスの区別がとても困難というところです。
明らかに無断で学習されてる物もあれば、権利的に問題ないと謳っているサービスもあります。
これに関しては個人の責任で使用するか否かを判断するべきだと思います。
私は現状使用する意思はありません。
閉鎖にしなかった理由
上記の様な考えがあり、コミュニティを継続するかどうかを悩み始めました。
閉鎖すべきかとも考えました。
しかし閉鎖しなかった理由は、熱心に投稿を続けてくださっている方もいたからです。
自分はAIに対して興味を失ってしまいましたが、投稿を続けている方々の熱意を踏みにじる権利があるのかというとそこにも疑問を感じ閉鎖には至れませんでした。
しかし当初から参加してくださってた多くの方々は私が上記で述べたような情報が広がるうちにコミュニティ内での活動が減っていきました。
このまま自分が何も出来ないままただ見守るのを続けるべきか。
投稿はしていないけれどコミュニティに残っていくださっている多くの方々の為に、自分だからこそできる貢献の仕方があるのではないかと考え閉鎖ではなく変更という決断に至りました。
新しいコミュニティ内容
そこで僕がコミュニティを作る意義のあるものは何だろうと考えやっぱりコンセプトアートに関連する事が良いと思いました。
気になったアートやソフトの新しい情報を共有したり、絵を投稿して添削しあったり、今絵を勉強し頑張っているアーティストを応援するのはもちろんですが、もっとXならではの良いアイディアがないかなと考えました。
利用者と情報の量ではXがダントツだと思っています。
そこで思いついたのがみんなのインスピレーションをシェアしあうコミュニティです。
私は講演会などでコンセプトアートの描き方を説明する機会があるのですがそこでよく聞かれるのが「どうやって思いつくんですか?」という質問です。
発想法、アイディアを形にするのにはいくつか方法論があったり、デザインする内容によって手法は様々ですが、
結局どのアーティストも自分の見てきたもの、感じとったものからアイディアを練り上げていきます。
そんなみんなのアイディアの源が見たい!と思いました。
どんな絵を見て凄いと思ってるの?日頃歩いてて何が気になってるの?最近見た面白い物ってなに?どんな本読んでるの?
コンセプトアーティストの友達と散歩していると
「あ、あそこのライティング良いね、あのビルにあたってるところ」
「山のあそこの後ろに霧がちょっとかかってるでしょあれが奥行を出すのに効いてるんだよねぇ」
「あーあのおじさんのシワ、いいねぇ」
などよく分からんことを言いながら歩いてます。
しかしこの間アニメーターの友達と歩いてるとき。
彼がジーっと何かを見てたので
「何を見てるの?」と聞いたら
「あの人の歩き方の腰の上下の動きがね・・」と説明してくれて、
アーティストによって見てるところって全然違うんだな!と驚きました。
職種によって目をつけているところが全く違う、VFXの仕事だけでもこんだけ違うので他の業界の方々がどんなものを見てるのか凄い興味があります。
是非本当に気軽に気になったものを投稿していっていただけると嬉しいです。
そしてその何かが皆さんの創作活動のヒントになれば幸いです。
最後に
最後に、勘違いしてほしくないのはAI技術そのものを否定しているわけではないです。
人々の役に立っているものを沢山あると思います。
そしてもちろん今後画像生成AI自体がどうなっていくのかもわからないですしそれを利用する方は自己責任で利用していっていただいて良いと思います。
現状は権利の問題でクライアントが使用を禁止しているケースがほとんどで、
規約に違反しAIを使用してることがバレたアーティストはキャリアを失うほどのバッシングを受けているのも目にします。
それは時に度を超えているなと感じる事もあります。
しかし今後何らかの形で画像生成AIの使用が法的に問題ないとなった場合、僕らの仕事はどうなっていくんだろうなと考えてます。
答えは出てないです。
でも僕はどんな時もアーティストを応援する立場でありたいです。
ご理解頂けますと幸いです。
田島光二
2025年1月4日