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自叙架空#148
妹のグレーテルと二人で山奥に置き去りにされた
一緒に山にきていた母が、後で迎えにくると言い残して途中で去り、夜になっても迎えにこなかったため、グレーテルは私達が捨てられたのだと悟って泣きだしたのだが、私はヤーコプさんとヴィルヘルムさんのグリム先生の二人に、このあと三日ほど山の中をさ迷えばお菓子の家が見つかって飢えを凌げ、そこの住人の魔女が私達を太らせたり焼いたりして食べようとするから逆に隙を突いて窯で焼き殺し、その魔女の家にある財宝を持って家に帰れば、すでに病死した母と会うことなく父と三人で幸せに暮らせると聞いていたので、その旨をグレーテルに伝えた
泣き止みはしたものの、グレーテルはキョトンとした表情になり、その後しばらくのあいだ無言で私の顔を見つめ続けた
コウ(ヘンゼル)