自叙架空159
ある朝会社に出勤しようと駅に向かって歩いていると、パチンコ屋の開店に並んでいるアーサー・コナン・ドイルを見かけた
午前の仕事が終わり昼休憩をとりにオフィスを出ると、今度はビルの敷地内に停まっているキッチンカーで、パリス・ヒルトンがデカ盛りランチを二つ買っているところを見かけた
夕方になって退社すると最寄りの駅で、ユウ・ダルビッシュが自動改札機に止められている姿を目撃し、私は、もうこれは偶然じゃない、この法則でいくときっとこのあと名前に『晩』か『夜』の入った著名人と遭遇するに違いないと期待に胸を膨らませたのだが、居酒屋で独り呑みをして誰とも行き合わないまま深夜に帰宅すると、かなりご機嫌ナナメの様子の妻が私を見るなり立ちあがり、両手でテーブルを『バン』と叩き『もう二度と居酒屋にはヨルな』と言って私の今日の一日を締めてくれた
コウ