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千葉県富里市のマンホール
モンゴルには、馬乳酒(アイラグ)という、馬の乳から作られるアルコール分が三パーセントほどの酒がある。
馬の乳は、牛乳とは違って、生で飲むと下痢をしてしまう。しかし、それを醗酵させれば飲むことができて、しかも、長期間保存しておくこともできる。
野菜や果物をあまり食べないモンゴル人は、この馬乳酒と茶からビタミンを補給する。
人類の歴史で、もっとも古い遊牧民は、前六世紀から前三世紀にかけて活躍した、スキタイというイラン系民族であるとされている。
それまで人は、馬に乗って移動するという技を知らなかった。
スキタイは、黒海のそばの草原地帯を遊牧し、その生活は、前五世紀のギリシャの歴史家ヘロドトスの「歴史」に詳しく書かれている。すでにそこに、馬乳酒が出ていて、盛んに飲まれているのだ。
馬乳酒とは、つまり、そういう飲み物なのである。
日本にも、古来から馬はいて、後期古墳から馬具などが出土したり、馬に関する壁画も多く出ている。
しかし、たとえば、黒澤映画などの時代劇に出てくる軍馬はすべて堂々たるサラブレッドだが、あれはいってみれば映画的演出であって、あの時代の日本の馬は、木曽馬といって、今でいうポニーのような姿形をしていた。
しかし、それでは映画としてあまりにも残念な映像になってしまうので、スクリーンに出てくる馬は、すべて筋骨隆々のサラブレッドなのだ。
下総台地の中央に位置する富里は、江戸期は、幕府直轄の放牧地で、明治期もその性格が受け継がれた。
そして現在でも、いくつかの牧場が点在している。
市の木である「ヤマザクラ」
すぐ近くの成田空港には、成田空港のマスコットキャラクター、クウタンが描かれたマンホールもある。