ベースカットシザーのハンドルの特徴と選び方
ベースカットシザーのハンドルは、大きく分けて三種類有ります。
(ここではハンドルのみの説明をしますので、長さを揃えてすべて6インチを用いて説明します。)
三種類のハンドルとは、メガネ、段違い、立体ハンドル
それぞれに長所もあり、短所もあります。
メガネハンドル
二つの指穴が平行に並んび、見た目がメガネに似ていることから、メガネハンドルと呼びます。
ヴィダルサスーンの登場により美容の世界でもヘアーカットがはじまり、その頃から美容師の皆様は、シザーを持ち始めました。
その当時のシザーはと言いますと、長さ4.5インチのメガネハンドルでした。
美容室でのヘアーカットの始まりは、メガネハンドルだったというわけです。
何よりもシンプルで癖がないのが特徴です。
形状に癖がないので、使い手の持ちやすいように持つことが出来ます。
しかし、ハンドルに癖がなくシンプルな設計ということは、持ち易いように設計した溝やコブがないので(リードがないので)、しっかりシザーを持てない人には持ちづらく、使いこなせるようになるのに時間がかかります。
二つの指穴が平行に並んでいるため、動刃側のハンドルの指穴がネジより遠く、刃を開閉する際大きく開くには親指を大きく動かさないといけないのが難点。
しかし、テコの原理でいうと動刃側の指穴が遠く離れていることは、支点から力点の距離が遠いので、生み出す力は強く柔らかく切れるという利点がある。
段違いハンドル
段違いハンドルの特徴は、開閉のし易さです。ネジから動刃の指穴までの距離が短いので少しの親指の動きで刃が大きく開きます。
刃の長さが長くなればなるほど段違いハンドルを選ばれる方がいいでしょう。
理容室ではロングシザーを使いますので、上の写真のようにハンドルは段違いになっています。そのため段違いハンドルは、バーバー(barbar)ハンドルとも呼ばれます。
反面、ネジから動刃の指穴までの距離が短いので、メガネハンドルに比べ少し切れ味が重く感じます。
メガネハンドルと段違いハンドルの比較
メガネハンドルと段違いハンドルでてこの原理を比較すると、メガネハンドルの方が段違いハンドルより支店から力点の距離が長い。そのためメガネハンドルの方が少ない力で良く切れる。そして切れ味も柔らかく感じる。
親指の動きの比較
指穴間の矢印は開閉時の親指の先端の動き。色で塗りつぶした箇所は親指の付け根の動き。
メガネハンドルの親指の動きの軌道に段違いハンドルの親指の動きの軌道を重ねると、赤い部分が出ている分メガネハンドルは親指の先端や付け根を大きく動かさないといけない。
ラクダコブとは
メガネハンドルか段違いハンドルかで迷い、段違いハンドルを選択したのち”ラクダコブ”の有無の選択が待っている。
基本的にはラクダコブがあった方が、フィット感が高いように思われますが、ラクダコブ無しの方が柄が真直ぐにスッキリしていて邪魔する箇所がないので、持ちやすいという声もある。
なぜなら、ラクダコブがあると両側に深い溝が出来、その溝の配置が自分の指の腹に合わないといった感じでしょうか。
立体ハンドル
立体ハンドル、長所はハンドルの形に沿って指を乗せていくと自然と綺麗にシザーを持つことができます。シザーを持つ手に安定感が増し,これからカットを練習される方にシザーの持ち方を説明するのに丁度いい形をしています。
あえて短所を言うならば、密着性がいい分シザーを持つ手に自由度がなくなります。
赤丸の箇所は、指の腹を面で受けられるように設計されている。
親指の後ろ側が下向きに下がっているため、親指の先端が指穴に入りやすくなります。
人差し指、中指、薬指、小指の第一関節を赤いラインにのせて巻き込むようにすると、全ての指が収まりが良くシザーを持つことが出来ます。
下の写真のようにフリーハンドで水平にラインを切りたい時も、しっかり静刃側のハンドルをホールドして持つことが出来、動刃の指穴も矢印方向に親指を向けると収まりもよく、静刃も動刃も安定して持つことが出来ます。
まとめ
メガネハンドル、段違いハンドル、立体ハンドルのそれぞれの特徴を説明してまいりまいたしたが、それぞれに長所と短所があります。ご自身にとって何を優先されるかを明確にされると、ハンドル選びで迷うことはなくなるでしょう。
今回ご紹介したモデル
メガネハンドルのシザー
段違いハンドル
立体ハンドル
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