ゾンビと狂人蔓延る祖国に今度は逆侵入⁉︎『新感染半島 ファイナルステージ』

今回は傑作「新感染ファイナルエクスプレス」の続編、『新感染半島 ファイナルステージ』を紹介します。元旦からの公開でお正月映画の大本命であった本作は相変わらずのヤケクソ量のゾンビとまさかのマッドマックス展開でお腹いっぱいです。まずは予告編をどうぞ

感染爆発が半島を崩壊させてから4年後、家族を守れなかった元軍人のジョンソクは、亡命先の香港で廃人のような暮らしを送っていた。そんな彼のもとに、ロックダウンされた半島に戻り、大金を積んだトラックを見つけ、3日以内に帰還するという仕事が舞い込む。だが、潜入に成功したジョンソクのチームを待っていたのは、さらに増殖した感染者たちと、この世の地獄を楽しむ狂気の民兵集団631部隊。両者に追い詰められたジョンソクを助けてくれたのは、母ミンジョンと二人の娘の家族だった。大金を奪えばこの国を出られるという最後の希望にかけて、手を結ぶことにした彼らの決死の作戦とは？

本作の魅力の一つがキャラクターだ。主人公ジョンソクの人外レベルのかっこ良さは特筆すべきだろう。元軍人なので銃器の扱いには長けており、圧倒的な数のゾンビを前にしても冷静に対処、ゾンビ＆631部隊との戦闘ではジョンウィックばりの動きを見せてくれている。その他にもジョンソクが途中命を助けられる少女ジュニはゾンビ達をドリフトで薙ぎ倒すドライバー少女。631部隊を率いて生存者を狩り悪趣味なゲームを開催するファン軍曹とソ大尉の終盤にかけての狂人ぶりは素晴らしかった。

そして映画ファンを熱くさせた魅力のもう一つはマッドマックス的な終盤怒涛のカーアクションだ。ラスト、半島脱出への希望である大金を積んだトラックを取り戻したジョンソクたちは631部隊と圧倒的な数のゾンビの群れに追われながら港を目指すが、そこで起きるゾンビを巻き込んだカーチェイスは「マッドマックス怒りのデスロード」を彷彿とさせる凄まじさ。今作の終盤のカーチェイスシーンはフルCGで撮影されておりその特性を存分に生かしたワイスピもびっくりの轢き殺しドリフトもバチバチにキメている。そもそも主人公ジョンソクは家族を見殺しにした過去があり、半島の中で出会った生存者の強き女性ミンジョンとその娘ジュニ達を生きて脱出させるために協力していく流れはまさに「マッドマックス」のマックスとフュリオサのそれではないだろうか？

（まあそれだけに、あのカーチェイスをほぼCGなしでマジでやってるマッドマックス、ジョージミラー監督は本当の狂人だと思います笑）

狭い列車内でのサバイバル感が楽しめた前作とはまた違ったサバイバル感。人間ドラマからカーアクション、終末世界と化した半島のビジュアルの凄さ。初心者でも全然楽しめるゾンビ映画です。まだまだ劇場上映してるので是非‼︎

4Dとかで見たら楽しそう‥‥