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「カレーライスの原則」:日本式人的資本経営の発見

個人としての人的資本経営を考えていく上で、
企業の開示を目的とした人的資本経営でも
国際基準に合わせた人的資本経営でもない、
日本の組織や文化に合った人的資本経営とはどうあるべきかをChatGPTと対話しながら思考した。

そして、
日本式の人的資本経営の1つの答えとして、
最近注目を浴びている優れた起業家の思考法
「エフェクチュエーション」の影響を受け、
「カレーライスの原則」と名付けてみた。 


◆カレーライスの原則とは

カレーライスはインド料理を元にイギリスで誕生し、明治時代にイギリスから日本に伝わって独自に変化・発展していった日本の国民食だが、
東洋的なベースに西洋的な考えが混ざり日本独自に発展していく流れはまさに「日本式」と言える。

そして人的資本経営における「カレーライスの原則」は、改善と調和により、個人の可能性を引き出しながら、個人の成長と企業の成長を掛け合わせていく日本式の人的資本経営と定義した。

長期雇用を前提とした安心感があるからこそ出来る個人と組織のチャレンジや英語にもなった日本式の「カイゼン」。長期的な個人の成長の可能性を願い、会社を帰れる「ホーム」とした上で可能な配置転換や越境学習。そして日本独特の文化だけでなく海外の考えも受け入れ混ぜ合わせ調和させていくことで生まれる「ケミストリー」。

日本式の優れた人的資本経営には、継続的な発展を実現する可能性を秘めているのではないだろうか。


以下カレーライスに例えながら、人的資本経営を考え直していく。

・心理的安全性の勘違いとカレーライス

「心理的安全性の高い職場」のイメージとして、ストレスやプレッシャーのない優しく楽しい職場を思い浮かべる方も多いと思うが、これは勘違いだと言われている。
Googleが研究で発見した「生産性が高いチームは心理的安全性が高い」は、「成果を出す」という目的のために、健全な意見の衝突や対話が可能な関係性を築いている状態を指す。

老若男女、年齢問わず日本でカレーライスが好きな人は多いと思うが、成果(美味しい食事)を求める際に、家庭料理として作られるカレーライスは実に心理的な安心感が高い食べ物の一つではないだろうか。

料理が苦手な人でも簡単に市販のルーを使えば安定した美味しさを出すことが出来て、ある程度どんな食材を追加しても「カレーライス」として調和して成立する。

食材を人材、スパイスをストレス、火力をプレッシャーだと例えると、カレーにスパイスは必須で適度に様々なスパイスを使う事でさらに美味しくなる。同様に適度に様々なストレスを使う事で、より高い成果が引き出されるのは事実としてある。

火力については煮込みや冷やしは基本として、玉ねぎを焦がさない様に気を付けながら火加減を調整し時間を掛けて飴色にしていくことで、食材のポテンシャルが引き出されて、全体に影響してカレー全体の深みが増していく。
同様に人材も適度にプレッシャーを与えながら、時間を掛けて育てて輝かせることで、全体にも影響してよりよい成果が引き出されていく。

食材の組み合わせ、最適なスパイス調合、火加減でカレーライスの可能性は無限に広がっていく様に、心理的安全性の高い職場環境には、人材の組み合わせによるチームの調和や、時にストレスやプレッシャーも生み出す様々な新しいチャレンジすや改善が必要である。

・最適な人材管理とカレーライス

ストレスやプレッシャーが、成果において大事である事を述べたが、人材マネージメントにおいてはハラスメント対策はもちろん必要である。

料理人がマネージャーだとした場合、包丁が言葉だろうか。包丁はいつでも凶器となりうる事を理解して取り扱い方法を気を付けて、適切に素早く切り分けることが求められる。またプロや優れた料理人は食材に合った下処理や切った後の一手間を加える事で食材を生かす。

同様に言葉も時に精神的な凶器になりうることを理解しながら、取り扱い方法に気を付けて、適切に素早く決断していくことが求められる。優れたマネージャーは人材に合わせた1to1での対話で信頼を築き、細かな気遣いにより人材のモチベーションを高める。

食材(人材)の特性を理解して、腐らしたり、焦がしたりしない様に適切な管理や調理が求められ、肉、野菜、国産、外国産、多様な食材を切り分け、混ぜ合わせ、「カレーライス」として1つのものとして調和させていく。

「カレーライス」という名のパーパスや場において、肉、野菜の主従関係が無くなり其々が引き立っていく。野菜に対して肉のようになれとは思わないし、味や形や大きさもバラバラだからってこそ掛け合わさり調和する事で美味しくて魅力的なカレーライスとなる。

昭和時代の日本の家族主義的な人的資本経営と異なり、現代の人的資本経営では人材の多様性と個人の中の多様性を認め、「家族」ではなく「個人」として捉えて成長や幸せを願い、対話することで、個人と会社の重なり部分をみつけて相互に改善し、調和させていくことが求められる様に感じる。

コース料理がジョブ型だとすると、カレーライス的な人材管理は、人材の多様性を活かした新たなメンバーシップ型とも言えるかもしれない。

無理やり感はあるし、カレーライスではなくラーメンでも良いかもしれないが、個人的に人的資本経営を捉え直す時に、日本に馴染みやすく分かりやすいイメージとしてカレーライスは良い示唆を与えてくれた。考えは変わるかもしれないが引き続き思考していきたい。

◆次回:ダイバーシティー&インクルージョンと「八百万の原則」

ダイバーシティー&インクルージョン(多様性と一体感)という考え方があるが、より日本的な概念として「万(よろず)」と「調和」という言葉で考え直してみたい。

日本における多様性と欧米における多様性の違いや歴史から、日本式の「多様性の在り方」を思考していく。


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