その笑顔が悲しい
人に嫌われることを極度に恐れていた頃、私が取った生存戦略の一つが、『人にあわせてとにかく笑うこと』だった。
特段面白い、と感じていなくても笑う。
相手が笑ったら笑い声をあげる。
笑顔を作る。
とある方に『そんなに笑わなくていい』とビシッと言われるまで、ずっと続けていた。
高校から大学生くらいまでの間ずっと。
その時の名残は今でも残っていて、ちょっと緊張する場所、思わず自分を取り繕ってしまうような場面で露出する。
ああっ、やっちゃった。
と後で気付く。
もっと自分でいて良かったのに。。。
誰かの笑い声を聞く。
誰かの笑顔を見る。
そこに力みがあるとき、私は自分を見る。
昔の、そして今の自分を見ているようで、ちょっと自己嫌悪に陥る。
作り笑いをしたって、自然に笑ったって、本当はどっちでもいい。
作り笑いが悲しいのは、自分を偽ってしまった感覚があるから。
自分を偽ると、また、昔の自分に戻ってしまうじゃないかと恐れている。
本当は、良いも悪いもない。
どんなときも、一生懸命生きてきた、それだけ。
あの頃の自分を、また迎えに行く必要がありそうだ。
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