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10年ぶりに自主制作映画を作ってみた
2014年、仲間たちと一緒に「みなと、かこ、げんざい」という短編映画を作った。
そこから俺は10年、自分の意思で映画を作ることをしなかった。
ミュージックビデオは150本くらい作った、ライブはたぶん500本くらい撮った、ドキュメンタリー作品も4つ作った。
でもストーリーのある映画は作らなかった。理由は特にない。たぶんうんざりしてたんだと思う。
泣かず飛ばずな自分とか、自主映画の界隈とか、もっと作品を広めてあげれなかったこととかに。
10年不貞腐れて、やっぱり映画を撮ることにした。理由は言えないこともあるんだけど、このままじゃダセえなって思ったから。
ライブハウスにはかっこいいバンドや酒場にはイケてる友だちがずっといて、俺はそいつらの周りをカメラ持ってひょこひょこくっつてるだけでいいのかよ。
酒代だけでカメラを回すのも辞めた。その予算感だと俺じゃないほうがいいかも、なんて言って依頼を断ったりするようにもなった。
映像クリエイター(笑)みたいになっていく今の俺を、20歳の俺が軽蔑した目で2010年から見つめてくる。
好きなことを仕事にできてていいね、なんて言われることがある。別に俺は好きなことなんて特になくて、ただダサいことをしたくなくて貧乏暮らしをしているだけだ。
それに、人様の目に触れるところではかっこつけてるだけで、銭に目が眩んでカメラを抱えてダサいこともちゃんとしている。
手段と目的がごちゃ混ぜになったミックスジュースを頭から被った俺は、東京の片隅で見えない誰かに向かって自己流の拳法の構えでファイティングポーズを取り続けている。
悪くない人生かもしれないけど、どの角度から見ても良くはないだろう。
小手先のテクニックや、トライアンドエラーだけで手に入れたノウハウでクリエイターぶってる自分が嫌になってきた。俺はもっとドープでいたいんだ。
丸みを帯びた幸せの角度を研ぎ澄ませて、しけった野心に火をつける必要があった。
バンドのためのミュージックビデオじゃなくて、誰かのドキュメンタリーじゃなくて、俺は俺のために俺の映画を作るんだ。
もう一度だけ、俺は俺に期待する。みんなも少しだけそうしてくれると嬉しい。
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