『影響力の武器』に学ぶ、実際に使える値下げ交渉術
『影響力の武器』という本をご存知でしょうか。
世界でロングセラーを続ける名著で、心理学を基に人間が与える影響力についてまとめられた本です。私の人生で最も影響を与えた本としてこちらの記事でも紹介しています。
その記事の中で「家電量販店で値下げをしてもらい、さらにオマケまでつけてもらった(つけさせた)」という部分があります。
今回はその時の状況について、覚えている範囲でまとめていきたいと思いますので、試す機会があれば、ぜひ参考にしてみてください。
どのような感じで書くのが1番伝わりやすいか、色々悩んだのですが、これといった正解が分からず…。
とりあえず書いてみますので、分かりづらい部分がありましたらコメントにてお知らせいただけますと幸いです。
それでは本文の方に入っていきます。
洗濯機が欲しい
その時購入を考えていたのは洗濯機でした。妻と2人で暮らし始めた時に中古で買ったものを使っていたので年式も古く、子供も大きくなり、洗濯物の量も増えてきたので、そろそろ新しいものを買おうということになりました。
とりあえず今より容量の大きいもので、そこそこのメーカーのものを、とにかく安く手に入れる事を目標に『影響力の武器』の知識をひっさげて電気屋さんに向かいました。
値下げ交渉時に使うテクニックと実際の流れ
ちなみに値下げ交渉時に私が用いたテクニックは以下の4つです
コミットメントと一貫性の原理
返報性の原理(借りを作る)
知覚のコントラスト
返報性の原理(拒否したら譲歩)
これらを用いて値下げ交渉を行いました。
コミットメントと一貫性の原理
まずは目当ての洗濯機を見つけます。この時見つけたのは確か5万円くらいのものだったと思います。大体相場くらいかなとは思いましたが、今回は戦闘モードでしたので、この洗濯機をできるだけ安くしてもらおうと考えていました。
大体どこの家電量販店もそうだと思いますが、商品を見ながら、悩んでいる素ぶりをしていると店員さんが近づいてきますよね。
そこで、話しかけてきた店員さんと、洗濯機探してるんですよね〜みたいな感じで、軽く雑談しつつ、まずは今回のテクニックの1つ目「コミットメントと一貫性の原理」を発動します。
「ここの売り場の担当さんですか?」
こう聞きます。
違うようであれば、担当を呼んでもらいましょう。私の場合は担当の方でしたので、そのまま続けました。
「いくらくらいになりますか?少しくらい安くなりますかね?」
ここで、
セール品だから…
と、断られてしまうと厳しいかもしれませんが、
少しくらいなら…とか、できますよ!とか、
肯定するような言葉を言ってこようものならこっちのもんです。
上記の2つの質問をする意図は、
値下げ交渉が始まってから「担当と変わります」といって逃げられないようにするため。
人間は自分が言った事、決定した事、ある立場を取る(コミットする)事で、それらに対して自分の内からも外からも圧力を感じ、その言葉や立場を一貫しようとするため。つまり担当者が安くする、と1度言った以上は安くしなければならないという責任感を生ませるため。
この2点が狙いです。まず、逃げ道を潰した感じですね。
返報性の原理(借りを作る)
次に使うのは「返報性の原理(借りを作る)」です。
私は以前にもこちらの店舗で家電を買ったことがありましたので、この店舗で色々買っている旨を雑談しながら匂わせます。
微力に感じるかもしれませんが『影響力の武器』によると返報性の原理の力は思っている以上に強いらしいので、少しでも心理的に有利な立場に立つために取り入れてみました。
知覚のコントラスト
洗濯機の性能であったり、静音性であったり、気になるところを、ある程度聞いた上で値段の交渉に入っていきます。
「いくらくらいになりますかね〜」みたいな質問をして、4万円くらいで…と言われたと思いますが、今回はまだまだいこうと思ってましたので、渋めの反応を見せておきます。
渋めな感じのリアクションで悩んでいると、向こうも色々説明してくるのですが、適当なところで3つ目のテクニック「知覚のコントラスト」を使います。
これは大きな要求から小さな要求へ引き下げていくやり方で、先に出した大きな要求との間にコントラストの原理が働き、後から出した要求を小さいと感じさせる、というものです。要は今回の場合でいうと「無理な金額を提示する」というのが大きな要求にあたります。
なんとなく聞いたことのあるテクニックだと思います。
4万円まで下がったので、あともう少し下がればいいかなとは思っていたのですが
「実は予算がそんななくて、3万円くらいで探してるんですよね〜」
と、おそらく感覚的に無理だろうと思う金額を一旦提示しました。
これに対して、店員さんも「実際3万円だと結構厳しい」という趣旨の説明をしてくるのですが、「店員さんの力でどうにかなんないですかね〜」といった感じで、もう少し頑張ってもらうためにちょっとごねます。
そんなこんなしながら、少し話したところで店員さんが
「そしたら、提案なんですけど…」
と
「クレジットカード作ってくれたら3万4千円でいいです」
と
「クレジットカード作ってくれたら、4千円分のポイントがつくんで、その4千円分のポイントを使って、3万円ポッキリでどうですか?」
と。
まぁ正直悪い話じゃないな、とは思いましたが、まだ終わりません。
もう少し渋ります。
「3万円にしてカードを作って2万6千円はどうです?」
と、きつめの金額を提示。
しかし、向こうもさすがに
「これ以上は本当に厳しいです」
と答えます。ただ、こちらもそう返ってくるのは想定済み。
返報性の原理(拒否したら譲歩)
そこで、最後のテクニック「返報性の原理(拒否したら譲歩)」を使わせてもらいます。
返報性の原理は
モノを貰ったら「モノをお返ししなければ」
という心理状態になる事を指す原理ですが
実は、譲歩に対しても「譲歩をお返ししなければ」
という心理が働きます。
相手が、これ以上は無理というふうに拒否したタイミングでこちらが譲歩し、相手の譲歩を誘い出すのが狙いです。
これは「知覚のコントラスト」と合わせて使うことでより強力なものになります。
使い方は以下です。
「じゃあ分かりました」
「3万4千円でいいです。カードも作ります」
「ただし、その代わり・・・なにかおまけつけてください」
割と無理を言っていることは自分でも承知の上です。
すでにこれ以上の値下げはホントにキツそうであり、3万円で買えるというところで金額的には申し分ありませんでした。しかしこれも検証の為。
金額はそれでいいよ、と譲歩をしたのちに、
相手にも
おまけをつける譲歩をしてね、とする形をとりました。
すると店員さんも「わかりました」と。
無事この心理作戦は成功し、5万円の洗濯機を3万円で、さらに、新たに生まれてくる子供の離乳食を作るのに使うであろう3千円相当のミキサーを無料でもらうことに成功しました。
以上が値引き交渉した時の一連の流れになります。
一応、値引きする際の前提条件として、
ある程度の高額商品であること、
値引きをしてくれる店舗であること、
おまけの品はそんなに高くないものであること、
これらが揃っていた方が成功の確率は上がると思います。
最後に
まとめるのが難しくて、ちゃんと伝わるか自信がありませんが、
もっとこうした方がいいよー
や
ちょっとここ分かりづらいよー
ってとこがありましたら、コメントで教えていただけると助かります。
また、なんとなくやり方わかって、さらに機会がある方はぜひ実践して、その結果も教えてください。
くれぐれも強引な値引きでトラブルにだけはならないようご注意下さい!笑
最後までご覧いただきありがとうございました。