イノセンス 冤罪弁護士

最終回が終わった。意欲的な作品だったと思う。

ただ、とても残念だったのは、11年前の事件の犯人の動機である冤罪が、痴漢冤罪であったことだ。多分、男性にとって「痴漢冤罪」は身近な、自分に降りかかりそうなこととしてイメージしやすいのだろう。もしかしたら、被害者として女性を狙った理由の一つに、自分を陥れた女性への恨み、といった面もあったのかもしれない。

ただ、現実問題として、痴漢は実際に起こっている中の一体どれくらいが「通報」されているだろうか。もちろん、どんなに少なくても冤罪はあってはならない。しかし、社会的な無言あるいは有言の圧力によって被害者が声をあげにくい、犯罪が犯罪として認知されない状況は、はたして望ましい状態だろうか。

最近、同意がないことを認めているにもかかわらず、性犯罪加害者を無罪とする判決が立て続けに出ている。こういう中で、痴漢冤罪がよく起こるかのような、しかも「被害者」が金目当てに簡単に冤罪を作り上げるかのような描き方は、とても残念としか言いようがない。他の犯罪にすることはできなかったのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?