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One Young Worldの参加報告レポート

この度は、日本代表として、若者版ダボス会議「One Young World」 に派遣いただいたことを心から感謝申し上げます。本イベントに参加できたことは、貴重な体験で、人生で最も経験して良かったと自信をもっていえます。今回は、私に奨学金を与えて下さった皆様に、御礼を込めて、レポートを作成しました。そして、これをオープンなnoteで書くことで、少しでも日本の仲間に体験を共有し、日々の活動への力になることを願っています。


1. One Young World (以下、OYW)について

まず、このサミットは何で、何のために開催されているのかを、データに基づいて述べ、次に、独断と偏見に満ちた自分目線でのOYWについて言及する。

客観的な情報

OYWのインパクトはその数字をみても明らかである。OYWでは、世界190ヵ国以上から、次世代リーダーが集まる。各々の活動や価値観を共有して、よりGlobal Impactを与える大きなビジョンをもって、自国へ帰る。彼らは、再び、世界に向けた新しい一歩を踏み出す。

OYW Report2022より引用

OYW2023について

ベルファスト市と英国政府の双方から、聖金曜日の合意(下記リンク参照)から25周年を祝う公式行事の一環として認められた。このサミットには、190カ国以上から2,000人以上の若きリーダーが集まり、現代の喫緊の課題に取り組んだ。その中には、the Food Crisis, Education, the Climate Emergency, Mental Health, and Peace and Reconciliationがあった。

OYWの提供価値

価値は、大きく4つある。The world's biggest and most impactful youth leadership Summitと評されるに恥じない提供価値とプログラムが提供されている。

OYW公式HPより和訳して引用

2. 私が肌で感じたOYWの価値

個人的に考える価値は、2点だと考えている。これは、自分自身が参加をして肌で感じたものである。

1. 世界が一つである空間

SNSが普及した現代、世界中にネットワークを作ることも、スキルを身につけることも可能である。でも、OYWだけが出している価値がある。それは、”空間”である。190カ国以上から2,000人以上の若手リーダーが1ヶ所に集まって、お互いが繋がろうとする空間は、ここ以外にない。この空間は、私にもっと世界が一つになりたいという感動を与え、戦争や格差がない世界を創りたいと、強い願いを生んだ。

2. Why Youの宝庫

「なぜ君がそれをするのか」をはっきりと見つけ直す機会になる。例えば、日本と縁もゆかりもないアフリカの男性が、日本の女性のメンタルヘルスの問題を解決したいというと、何で君がそれをするのかと疑問にもつ。一方で、アフリカの男性が、アフリカの女性のメンタルヘルスの問題を解決したいと思えば自然と納得できるだろう。これは、人の想いや夢は、”自分独自の体験”によって形作られることを示している。日本だけで生きていると、大抵の場合、義務教育課程を経て、大学にいき就職をする。このような誰もが歩む道を進んでいれば、自分独自の体験に気づきにくい。しかし、OYWは”日本で当たり前の道ですら個性的な道となり得る”ことを教えてくれる。私はこの経験を通して、日本を見つめ直すことで、日本の環境がもつ不条理と魅力の双方を発見できた。そして、このWHYは、サイモンシネックが提唱するように、これからの手法(HOW)に影響を与え、行動(WHAT)に大きな価値をもたらすだろう。

志や理念といった、自分のWHYを明確にすることからはじめ、それを実現するための手法HOWを名詞ではなく、動詞で明確にし、それを終始一貫したWHATを貫く。

WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う/サイモン・シネック


3. 私がしたこと

Belfastで私がしたことは沢山あるが、その中で3つの経験を共有したい。

1. 対話、そして対話

正直にいうと、毎日疲弊した。イメージをしてもらいたいが、1時間に10人とは話す。色々な国の人と対話をして、それぞれの価値観やビジョンを共有した。話す内容は相手によって異なるが、基本的には、「あなたの国にはどのような課題があって、それに対してどんな思いで、何をしているのか」である。この想いの中に、独自の体験が含まれているため、そこを深掘りしていくことで、相手の国の景色が浮かんでくる。

2. インプットと時代を築いた人々

毎時間、講堂や会議室でセミナーが行われている。どれも魅力的なテーマであるため、何を学びたいのかを予め決めていかないといけない。私が特に注目をしていたのは、メンタルヘルスとジェンダー平等である。OYWでは豪華なスピーカーが登場し、今年はJuan Manuel Santos(50年以上続いた同国の内戦を終結させるための毅然とした努力が評価され、2016年にノーベル平和賞を単独受賞した)や、Dr James Doty(脳外科医であり、メンタルヘルスに取り組むAIスタートアップのCEO)らが登場しました。彼らはまさに僕のロールモデルとしたい人物であった。

3. アンケート

今年は、OYWの参加者に対して、アプリケーションが配布された。これは、すべてのOYW関係者にメッセージを送信したり、講演のアーカイブを視聴できたりする。私はこの好機を活かすべく四六時中動いた。日中はサミットへ夜はパーティーでネットワーキング、そして、空いた早朝と夜中でアプリケーションを活用した。私は、メッセージ機能を活用して、アルファベット順に、「Just 3 questions about life and death」を送った。
全部は難しいが、一部回答を共有する。(本人から許可を得ている。)

Q.  How can we give hope to children living in your country?
A. I have attempted once to cut myself - childish act provoked by inability to process sad emotions - I freaked out at the sight of my own blood. Never tried it again, not because of fear, but because I stand for more than just myself and taking the time to process my feelings, good or bad, I found peace and learned that quiting is easy and easy is rarely the right way.

Q. Could you tell me your idea about life and death?
A. For my family, for the people I love and for the goals I set for myself on daily, weekly and even yearly basis. Sometimes the goal can be to just make it through the day so that I can sleep it through and reevaluate thought moments the next day.

4. 一つになること

先ほど述べた通り、OYWの価値は空間にある。しかし、実際には本当に一つになったと実感する時間がなかった。これを改善するために、みんなで"We Are The World"を歌う時間を作った。

記念写真

4. 体験を通して感じたこと

1. ジェンダー平等

男女の問題は、根深い歴史的課題が多くある場合があり、人類として性別とは何で、結婚とはどう位置づけるべきかを再度考え直すべきだと思った。

「そのとき、人とその妻はふたりとも裸であったが、恥ずかしいとは思わなかった。」その後、アダムとエバは狡猾なヘビに騙され、禁止されていた木の実を食べた。これから異性の堕落は始まった。

創世記2章25節

直接的な表現にはなりますが、性的な力を男性に与えて、女性を強姦するように男女を作ったはずがない。お互いを、誠に愛して、子どもという祝福を授かる人生である。この当たり前すら、享受できていない国が多々ある。この解決には、歴史、文化、教育的背景も複雑に絡む問題であるため、介入ポイントを明確にして、一つ一つ解決していかないといけない。

2. 日本の医療資源を世界へ

日本では国民皆保険制度のもと、どこでも自由に質の高い医療を受けることができる。それは世界では貴重で、病院にアクセスできずに、若くして亡くなる命は多々ある。これを放っておいてはいけない。おそらく、今後ますます日本は発展途上国に対して、医療支援を強化していかないといけないだろう。
特に、医療の国際支援といえば、人をお金を提供していた。これからは、日本の高い医療技術を売る。対価として医療データは受け取って、医療機器開発や研究に活かす形がいいと思う。それでないと、現地の人は育たないし、持続可能な支援とはいえない。

5. 今後にどのように繋げていくのか

1.地球規模の課題を解決する事業をつくる

今回のOYWを通して、WHY→HOW→WHATを再考する機会になった。しかし、Global Impactを与えるには、まだまだブラッシュアップが必要である。これから参加するグローバルスケールを目指すアクセラレーターで磨いていく。

私がやっている事業のWHY
情報過多な現代において、有益とはいえ全ての情報に触れ正確に理解し行動することは不可能に近い。だからこそ、人々が医療や行政に対して抱く情報アクセスへの負荷を減らし、より生活に寄り添う仕組みが必要になってくる。

会社HPの創業への思いより

2. 日本を世界の役に立てる

たしかに日本は課題が多い。それは、この文章を読むほとんどの人が理解できるだろう。だから、私は日本人として、少子高齢化やジェンダー平等など日本にある課題にアプローチしてきた。しかし、今回のサミットを通じて、それらは世界の課題と繋がっていて、世界が日本を必要としていることが分かった。これに気づいて行動ができる日本人は少ないと思う。私は貴重な気づきを得た一人の人間として、この機会に感謝して、へルスケア・医療を中心に、日本の医療の発展はもちろん、日本の技術を世界へ発信・利用できる環境を作っていきたい。

6. 最後に

OYWを通して、世界各国のリーダー達と、WHYを問いことで、自分と日本のアイデンティティーを発見することができた。これに気づかせてくれたOYWは僕にとって宝物である。
また同時に、この感動を日本にいる多くの仲間と共有したいと思った。私たちはもっと世界とつながり、世界視野を抱く必要があると感じた。それは、「日本に住んできたからこそ生まれているアイデンティティー」との対話ができるからである。人は存在価値を求める生き物であるが、日本にだけいては、自分が何をすべきか、時に盲目的になってしまう。あるいは、存在価値を見つけても、ビジョンが日本域を出ることはない。そして、ビジョンは行動を作るため、世界を変える行動を生むリーダーは育ちにくい。自分とは違う存在を知って、自分という存在を知る。世界を知って、日本を知る。そして、自分や日本の価値の再認識し、日本の世界におけるポジションを再構築し、今何をするべきかを考える。このプロセスを、もっと多くの仲間と共有したい。OYWに参加したい人は、ぜひ詳しくは事務局に問い合わせてほしいが、選考によって、日本代表は2名が選ばれる。下記リンクを参照してもらいたい。他にも、奨学金がパートナー企業から出れている場合があるので、ぜひチェックしてもらいたい。その他、私に聞いたいことがあれば、お気兼ねなく、何でも聞いて頂きたい。このレポートが、少しでも、読者の心に世界へ飛び立つ炎が燃え上がることを願っている。


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