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【本音100% 幸福写真の中の人ノート #12】 植樹と音楽が好きな(鬼)編集担当者 ヤマナカカナ
実行委員のヤマナカカナです。
2011年4月にボランティアで石巻に行かせていただいたのをキッカケに、東北の防潮林になる苗木のお世話をしたり植えたり、ライブハウスでイベントをしたり、音楽フェスでお預かりした募金を届けさせてもらったりと、今でも石巻の皆さんにはことあるごとにお世話になっています。
今回はけいすけの過去2冊の写真集に続き、新しい写真集の編集もやらせていただくことになりました。 “ 鬼 ” の自覚はありませんが、いろんなところで過去の自分の逸話を耳にするので、もしかしたら鬼編集なのかもしれません。
普段は神奈川県に住んでいるので実行委員の皆にはなかなか会うことができず、さらにコロナ禍で石巻に行くこともままならず、ミーティングはzoomで繋いでもらっていたけれど、写真展も写真集もイメージがつかないことも多く、写真展前は随分もどかしい思いもしました(そもそもいつも画面の向こうは楽しそうだし)どうしてもこの目で見たくて、皆に会いたくて、1ヶ月間定期的にPCR を受けて向かった写真展最終日。そこには想像していたより何倍もステキな空間が広がっていました。
※人を指差してはいけません
実行委員長の綾子さんから最初に “けいちゃんの写真展をやる!果たし状渡してきた!” という連絡をもらった日のことは、いまでもはっきりと覚えています。あのとき世間には緊急事態宣言が出ていて、わたしは自宅のソファーでゴロゴロしながらテレビを見ていました。写真展?え?綾子さんが写真展主催??と混乱している側から、続いて、 “やりたいことやる!” というメッセージが届いた瞬間、ボロボロと涙が出ました。正直に言います。号泣しました。『果たし状』という突っ込みどころ満載のワードに気がついたのはそのあとです。
この10年、県外からボランティアに行ったことがある人なら、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
わたしは自分の価値観を人に押し付けているのではないか。自己満足なんじゃないか。いや、自己満足だし自己満足でいいんだけど、傲慢になっていないか、気を使わせていないか、疲れさせていないか。
きっと皆「なに言ってるの!」と笑ってくれると思うけど、わたしにはずっとそういう不安がありました。だから綾子さんから “ やりたいことやる!”という言葉を聞いたとき、うまく言えないけれど、わたしの10年も悪くなかったのかなー?と、救われた気がしたのです。
先日のオンラインミーティング中、実行委員から、“ 誰かの記念写真ばかり並んでいて見ている人は飽きないか? ”という疑問があがりました。写真集に掲載される写真は現在全力で撮影中なので写真集の中身はまだ誰にもわかりませんし、飽きるかどうかはそれこそ編集次第なのでなんとも言えませんが、わたしには自信があります。
「 飽きません!!!」
3月に行なわれた写真展と、何点か撮影された写真を見て、気がついたことがあります。
それは “ しあわせは分けられる ” ということです。
好きな人・好きな場所・好きなことの側にいるとき、人は本当にしあわせな顔をします。そしてそれは見ている人までしあわせにします。
いま撮影されているのは記念写真ではなく “ 幸福写真 ” です。
しかも、誰かの幸福を本気で願う人たちが作る、幸福写真集です。
矛盾するようですが、わたしはいわゆる“ポジティブシンキング”が苦手です。楽しい・しあわせ・笑顔・夢・キラキラ・前向き、イエーイ!!みたいなノリの人が大の苦手です。
これはけいすけの過去2冊の写真集を作るときにも言い続けてきました。
本当にいろんなことがある世の中だから、自分は不幸だと思うこともあるし、人のしあわせなんて願えないことも直視できないこともたくさんあります。
でも、今回は、誰かの幸福を本気で願う人たちと、幸福な瞬間を切り取る写真家といっしょに、誰かを幸福にする写真集を作りたいと思っています。
写真展には、10年前、 “ 未曾有の災害 ” と何度となくいわれた景色の中で、歯を食いしばり、生き、泣いて笑う人たちと、支え合う人たちの笑顔がたくさん飾られていました。きっと、好きな人・好きな場所・好きなことが側にあったのだと思います。わたしも、いまでも、けいすけが残してくれたあの日の自分に勇気をもらいます。
クラウドファンディングもあと数日で終了します。
もちろん目標金額を達成できるのかも気になりますが、わたしは毎日皆さんから寄せられているコメントを読みながら、胃が痛くなったり“がんばろう!”と思ったり。とにかくたくさんの人と幸福のひとつのカタチを作りたい。
いっしょに作ってもらえたらうれしいです。
↑12年ぶりのちびーず。けいすけ、いい本作ろうね!