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キャバ嬢になるかどうかは結果論だと思う
私は、ずっと自分が無知でアホだからキャバ嬢をやってしまったと思っていました。でも、12年間の夜職体験を本にして、出会った子達を思い出して、今は違う結論に至っています。
キャバ嬢やるぞぉ!って始める子はいない
一時期、憧れの職業NO.2あたりに「キャバ嬢」が入ったり、「小悪魔ageha」みたいな雑誌があったりした時代もあったけれど、その辺に憧れてキャバ嬢になりました…という子には、出会った事がないです。そんな志願兵も存在するのでしょうが、少数派と推測します。
みんな何らかの要因で送り込まれてきた
「じゃあ、どんな子が?」
といえば、アルバイトの延長線上でやってきた感じ。
その延長線、伸ばしちゃう子(キャバ嬢になってみる)とそうでない子(キャバクラなんてやらないわという人)の差って、考え方の違いじゃなくて、環境要因だと思います。
環境要因その1 親がスナック経営とか
親が元ホステスとか、親戚がスナックを経営しているとか、そもそも水商売が身近な環境で育ってきた人達がいます。それで、嫌悪してやらない子もいるけれど、水商売に抵抗がなくなる子がいるのも当然かと。彼女達は、親に夜職をオープンにして、伸び伸びとやっていて、ちょっと羨ましい面もありました。
環境要因その2 スクールカーストの上の方にいた
上の方グループって、人より抜けた遊びをしますよね。ちょっと不良になりがち。先輩がキャバクラバイトを始め、友達が始め、「じゃあ、私もちょっとやっちゃおうかな」というノリ。夜職バイトという話が身近にやってきがちです。
環境要因その3 スーパー美女で、どこへ行ってもスカウトを受けまくる
スーパー美女は、銀座でも新宿でも渋谷でもどこへ行ってもスカウトを受けまくります。タレントのスカウトもあるけど、キャバ嬢のスカウトも鬼のように受けます。
林真理子さんもエッセイで、
「超美人と銀座にいたらあっという間にスカウトの名刺が集まり、自分が知らない世界を見た」
といってました。そう、一般人には知らないスーパー美女の世界があるのです。
もしかしたら、「私だってスカウトの経験位あるけど、断ったわ」と思う人もいるかもしれません。ですが、タレント級の美女は、その15倍は熱心に、そして巧みに、口説かれています。
環境要因その4 奨学金を返さないといけない
若者に重くのしかかる「奨学金という名の借金」。仕送り0で上京してきた大学生も悲惨なほど金がない。普通のアルバイトでは、お金が足りなくなって当然です。親元に住む子とは全然、状況が違うんです。ちょっとでも時給の良いアルバイトを探すと夜職と出会ってしまうのです。
キャバ嬢にならなかったのは、結果論
その1から4に当てはまる、もしくはピッタリ当てはまらなくても「ちょっと美人で生活費が足りない」とかハイブリット型の環境要因があれば、誰でもキャバ嬢になりえるんじゃないでしょうか。
結果的に、キャバ嬢にならなかっただけなのに、「自分は正解を選べた」「そうじゃないキャバ嬢はアホ」のようなポジションをとる人を見るとモヤモヤするんです。あなた、奨学金返すスーパー美女じゃないですよね…って。キャバ嬢は、たまたまキャバ嬢なだけで、あなたと同じ普通の人間ですよって。
わたしは、その1から4に全て当てはまるのに、「若さを売る仕事なんてしないわ」といっている人のみ、ポジションをとる事を許容します!!
ですが、もう1点加えます。環境的要因ではないですが、「生理的寛容性の広さ」という遺伝的要因もあると思います。
中年男性を「キモい」と感じる感度の差です。この感度が高い人ほど、夜職がきついです。逆に感度が低い人は、自分の友達と同じように中年男性と仲良くできます。
どちらが偉いという話ではなくて、感度が高い人が低い人を「信じられない」といったり、低い人が高い人に「多様性がない」というのは、間違いです。
長くなりましたが、今日私がいいたいのは、「あなたがキャバ嬢なのは、あなたのせいではないよー」という話でした。