釈迦の説がたり一日一話
三月三十一日 孤 独
皆さんは一人になることを恐れます。しかしおおぜいの中に居ても孤独になるのです。人間はやがては老いて、人生最後の孤独をしみじみと味わうときが来ます。
しかし孤独を恐れてはいけません。若いときから孤独と仲良くつき合う方法を心得ておくことです。孤独は決して怖いものではなく、孤独によって人間は賢くなるのです。孤独になったとき、人生の何であるかを考え自分をみつめることも出来るのです。
孤独は人間に与えられた薬です。これを毒薬にせず良薬として使えば人間は大きく成長できます。
貴方が孤独になったときこそ、貴方の心が慈悲に目覚めるときなのです。そして他人の孤独も分かるのです。どうか自分の孤独を嘆かず、他人の孤独を慰め励ますことの出来る人間になって下さい。
常岡智寶著 釈迦の説きがたり 一日一話より
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お釈迦さまとのめぐり会い
人間は、誰でも孤独で淋しがりやの一面を持っていますので、それを何かによって支えようとします。その何かが人によって信仰であったり、家族や肉親であったり、友人知己であったり、或は物質金銭であったり、お酒であったりします。
私の場合は、信仰が時には厳しい父となり又優しい母となり、夢や希望となって私を今日まで支えてくれました。お釈迦さまとのつながりも、そうした信仰の中から生まれて来たのです。
お釈迦さまと云えば、遠い昔仏教を開かれた尊いお方だと思っておりました。ところが、去る年の暮れに一枚のカレンダーを貰ったところお釈迦さまの写真が載っていましたので壁に貼って毎日お顔を拝見していました。
すると、ある日お釈迦さまがニコニコッとされて「これから私が面白いお話をするから書いてみなさい」と云われるのです。私が「それはどういうお話ですか」とお尋ねしましたら「年が明けたら一日に一つづつ話していきます」と云われました。それがこの物語であります。
お釈迦さまは決してはるか遠い昔のお方ではなく、今私達の身近に在っていつも導いて下さっているのだということがよく分かりました。どうか皆さんも自分の心の中に住んでおられるお釈迦さまを見付け出して下さい。
常岡 智寶
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