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釈迦の説がたり一日一話

     四月五日  欲   望

 人類は今日まで食欲と性欲という二つの本能的な欲望によって続いて来たのであるが、その反面この欲望故に大きな禍根も残して釆たのである。

 そして、子孫繁栄の為の性欲がときには快楽を追う為のものとなって多くの過ちを犯し、それによって自分や家族子孫までも苦しまねばならぬのである。

 本能的な欲望は、余程の自制心がないとつい我を忘れるようなことになる。悪いことだと分っていても、止めよう止めようと思いながらつい欲望に負けてしまうのである。

 そして一時の快楽がとり返しのつかぬ因縁を作り、それを背負って苦しみ悩みながら生きて行かねばならぬのである。


常岡智寶著 釈迦の説きがたり 一日一話より

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     釈迦からのメッセージ

 私は生存中に、さまざまな修行をして数多くの教えを残したが、今ここで云えることは、人間は幸せには中々ようならぬということである。

 生きている間も、死んでからも、求め続けるばかりで幸せとはどんなものであるかを分かろうとしないからである。人間にとって幸せとは夢かまぼろしのようなものである。

 この物語(釈迦の説きがたり一日一話)は、難しい経文や教えの分からない人でも、自分達の身近な事柄の中から心が開けて、一歩でも半歩でも極楽への道を歩んでもらいたいという私の願いからである。

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