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釈迦の説きがたり 一日一話

     五月十四日    家 

 大きな屋敷と小さな小屋のような家とが隣り合せに立っていました。

 大きな家の人はいつも威張っていました。小さな家の人はいつも卑下して暮していました。

 台風が来て吹き荒れました。大きな家の屋根はとんで塀も倒れました。小さな家は大きな家の陰になって何の被害もなくすみました。また雷が大暴れして、大きな家のけやきの木に落ち家もろ共焼けてしまいました。小さな家は何の被害もなくすみました。

 小さな家の人は、「小さな家でよかったなあ」と心から思いました。


常岡智寶著 釈迦の説きがたり 一日一話より

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     お釈迦さまとのめぐり会い

 人間は、誰でも孤独で淋しがりやの一面を持っていますので、それを何かによって支えようとします。その何かが人によって信仰であったり、家族や肉親であったり、友人知己であったり、或は物質金銭であったり、お酒であったりします。

 私の場合は、信仰が時には厳しい父となり又優しい母となり、夢や希望となって私を今日まで支えてくれました。お釈迦さまとのつながりも、そうした信仰の中から生まれて来たのです。

 お釈迦さまと云えば、遠い昔仏教を開かれた尊いお方だと思っておりました。ところが、去る年の暮れに一枚のカレンダーを貰ったところお釈迦さまの写真が載っていましたので壁に貼って毎日お顔を拝見していました。

 すると、ある日お釈迦さまがニコニコッとされて「これから私が面白いお話をするから書いてみなさい」と云われるのです。私が「それはどういうお話ですか」とお尋ねしましたら「年が明けたら一日に一つづつ話していきます」と云われました。それがこの物語であります。

 お釈迦さまは決してはるか遠い昔のお方ではなく、今私達の身近に在っていつも導いて下さっているのだということがよく分かりました。どうか皆さんも自分の心の中に住んでおられるお釈迦さまを見付け出して下さい。

常岡 智寶

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