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料理人時代のお金に苦労した話。
自分で会社をやるようになり、少なからずお金への感覚は変わった。
料理人時代はお金に縛られており、毎月口座の残高とにらめっこをしていた。特段散財するタイプでもないが物理的に稼ぎが少なかったのと、女性や後輩には見栄を張るタイプなので現金がないならカードがあるさと、多少無理をしても払っていた。
飲食業界に入ったのは2005年かな?初任給は13万5千円。時給に換算すると300円ちょっとで絶望したのを今でも覚えている。しかも二年目からは南麻布に住み、5畳一間のマンションで7万円を払う生活(自転車で通える圏内に住む必要があったから)だったので、本当にお金がなかった。
飲食店なので賄いがあるし食費には困らなかったが、如何せん普段の生活はまあ質素なものだった。それでも月に一度はレストラン勉強のために食べに行き、一回2~3万円の出費。多いときは二回行った。もう計算が合わないことがわかるだろう。
そうゆうものだと思っていたし、一時期コンビニの深夜バイトに本気で転向しようかと悩んでいたが、料理を続けてきて本当に良かったと思う。
料理人の給料はなぜ安いのか?
これは一概には言えないが、レストランというビジネスの仕組み上仕方ないと思っている。レストランは、客単価、客数、営業日数で売上が決まる。高いワインなどが出れば多少の変動はあるが、基本的には大きな変化がない。
だからこそ満席という状態を目指し、予約が取れないレストランになろうとする。それが唯一の方法であり、売上を保つ絶対的なやり方だ。
なのでレストランは加点法ではなく減点法になる。努力は売上を下げない為とお店の価値を高めるためにある。先ずはこの仕組みを理解にないといけない。
そして売上のトップが決まるという事は利益の幅も見える。利益を増やすためには、原価を下げるか人件費を下げるか、そもそもの販売価格を上げるしかない。しかし値段を上げるのは至難の技で、基本的には先の二つを調節する事になる。
しかし料理人は原価を下げる事をあまりしない。美味しいものを作りにくい状況をわざわざ自分から作る人はあまりいないからだ。となると必然的に削るところは人件費となってくる。
給料をそもそも低くしたり、労働時間を伸ばして稼働時間を増やしたり、福利厚生がないお店もあるだろう。どう考えても生活できない給与のお店もある。
でもそれはそのお店を選んだ人の責任にされがちだ。
『ウチの店で働きたいと思ったのは君だよね?』
『レストランはこれが当たり前だよ?』
『俺が若いときはもっとキツかった。お前たちは幸せだよ。』
こんな言葉がいまだに当たり前に聞こえてくる。(無言のプレッシャーもある)
それに加え、有名なレストランは初期費用に4000〜5000万円かかる事もザラだ。なので借金返済が終わるまではさらに余裕がなく、社員の給料は減らされる。
経営者の立場になれば見方も変わってくるし、こうゆう考え方になるのもある意味仕方ない。でもこの風習が続く限り、この業界に未来はない。だからこそ構造自体から考え直す必要がある。
営業時間という絶対的な拘束
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皆様の優しさに救われてます泣