人間とはどのような生き物なのか?

人間は集団への所属欲求を持つ”社会的動物”である

集団の中で生きる社会的動物である「人間」は”所属欲求”を持っています。
そのため、他者から疎外されることに強い恐怖心を感じ、周囲の視線に過激に敏感になりやすい傾向を持っているのです。

人が集団に所属し、集団で生活する意味とは?

人間は、家族、学校、職場、サークルなど、さまざまな集団に所属しながら生活を営む社会的動物です。

なぜ、このように集団に属して生活するのかというと、単純に、1人で生きていくよりも、他の人と協力し、助け合いながら、生きていった方が便利だからです。
(社会的促進)

夫婦で家事をする役割とお金を稼ぐ役割を分担したり、職場での業務の担当を決めるのは、社会的動物である人間の知恵ですが、社会的促進行動は、ライオンやアリなど、群れを作って生活する動物・昆虫全てに見られる行動です。

お互いが助け合うことで、自分の安全性を高めるという行為は、動物が生き残るために非常に重要な知恵なのです。

しかしながら、現代社会は集団の中で生きるために必要不可欠なコミュニケーション能力が育ちにくい状況です。

社会的動物が集団に居られなくとどのような問題が生じるのか?

社会的動物が集団から引き離される危機

他者から「ダメ人間」とレッテルを貼られ、集団から外されることに、喜びを感じる人はまず居ません。

なぜ、そのように断言できるかというと、人間は「誰かに受け入れられたい」「安心できる居場所が欲しい」「誰かと繋がっていたい」という強い所属欲求を持っているためです。

この欲求は、群れを作って生きる他の動物も持っている欲求で、野生動物の場合、集団からの排除は「死」を意味します。

そのため、必死に集団の中での居場所を求めるわけです。

人間の場合、「死」までは至らなくても、集団から疎外されると、気持ちが暗く落ち込み、自己制御能力(自分自身を制御し、我慢する力)、思考、認知能力(物事を考え、認識、知覚する力)が低下します。

このような苦しい状況に陥りたくないために、人は集団の中で居心地の良い自分の居場所を作ろうと努力します。

他者の視線が気になるのは人として正常な反応

僕たちが他者の視線を気にしするのは、強い所属欲求を持つ人間の習性を考えると、正常な反応といえます。

他者から嫌われると、集団から疎外される危険性が高まり所属欲求が満たされない可能性が出てきます。

所属欲求が満たされなくなると、人は苦しみと向かい合うことになるので、集団から疎外されないように努力をします。

その努力が、他者評価(特に否定的な評価)に敏感になり、他者の視線を過激に気にする行動として表れるのです。

僕たち人間は、集団の中で生きたいと思う動物ですが、現代社会は非常に孤立しやすい環境です。

集団で協力しながら生活しにくい環境は社会的動物である人間に、孤独感を与えやすい環境と言えるでしょう

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