集団での討議の危険性
「集団分極化」という集団心理
例えば、友人との間で結婚式について話をしていた時に、初めは「結婚式を上げなくても良い」と考えていたのに、討議をする中で「結婚式は挙げなければならない」という極端な方向に変化していまう現象に出会ったことはありませんか?
僕たち人間は、集団で討議することにより、個人の意見が極端な方向に推移する傾向を持っています。
これは専門用語で「集団分極化」と呼ばれ、多くの心理学者が研究対象としている集団心理傾向の一つです。
この集団分極化は、極端にリスクが高い方向に推移する「リスキー・シフト」と、極端に安全で保守的な方向に推移する「コーシャス・シフト」という二種類があります。
この集団心理傾向を理解していきましょう。
「リスキーシフト」と「コーシャス・リフト」
集団討議を行うことにより、危険な選択肢を選びやすくなる「リスキー・シフト」は、非常に危険な現象です。
1986年、スペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げ直後に爆発炎上し、乗客全員が生命を落とした事件もリスキー・シフトと集団思考が影響を与えたと言われます。
一方、集団討議でより慎重な方向に決定がずれる「コーシャス・リフト」は、リスクは非常に少なくなりますが、過激に保守的な思考に偏るため、身動きがとりにくくなったり、根本にあったはずの論点がずれるなどの問題が生じてきます。
集団分極化は、会社や学校などの大きな集団だけで生じるのではなく、3〜4人の井戸端会議などでも生じる集団心理です。
あなた自身の日常生活場面を思い起こし、知らず知らずのうちに集団分極化が怒ってないか意識してみてください。