イベント運営ビギナー大歓迎の「100人カイギ」! 最強の幹事たちと走りきった舞台裏
株式会社新潟家守舎 代表 小林紘大さん。自身の法人以外にも多数の事業を手掛けており、携わっている事業は30以上にも及ぶパラレルワーカーとして活動している。
今回は、紘大さんが2019年の立ち上げ当初からキュレーターとして携わり、先日フィナーレを迎えた「新潟市100人カイギ」ついて伺った。
インタビューを通して見えてきた、チームで取り組むイベント運営の面白さ。イベント運営の経験がない方でも始めやすいその魅力についても紹介していく。
「100人カイギ」にはゴールとフォーマットが用意されている
100人カイギとは、会社、組織、地域に身近な人同士のゆるい繋がりをつくるコミュニティ活動だ。現在、各地のボランティアにより全国で開催されている。
【公式HPより】100人カイギ紹介VTR
毎回5人の「地域に紐づくゲスト」をお招きし、ゲストの話を元に交流するのがこの100人カイギ。
5人×20回、100人集まったらその地域での開催は終了を迎えるため、始まる前からゴールが決まっている。
ボランティアで集ったキュレーターたちは、このゴールに向かってイベントを重ね、走り抜いていくことになる。
紘大さん(=以下、紘) 終わりが決まっているイベントってなかなかないので、そこが面白いと思います。
ぼくは何でも「最上思考でやりたい!」と思う質(たち)で、終わりが見えていると、より強くアクセルを踏める気がします。
ゴールが見えているからこそ、1回1回に集中できるしパワーも発揮しやすい。イベントのコンセプトとフォーマットが決まっているからイベント運営ビギナーにも進めやすいことも100人カイギの魅力だ。
HPにはこれらの情報が集まっている。
あくまでフォーマットは「型」であり、そこに地域やキュレーターごとの「色」を出していくのはもちろんOK。
さらに全国で開催されているため、自身が参加することでイベント主催者とも会って交流ができる。
漠然と「地域で面白いことをしたい」と思っている人にはぜひおすすめしたいイベントといえるだろう。
ここからは、2019年に発足した新潟の100人カイギと、2022年6月25日に迎えた最終回について紹介させていただく。
新潟カイギの裏側①集った「最強幹事」たち
初代キュレーターは紘大さん含め8人。この数年で、年代・性別・職種のことなるメンバーが増えていった。
紘 当初は「こんな方にキュレーターとして参加してほしい」と募っていたんですが、回を重ねるごとに「参加したい!」といってもらえることが増えていって嬉しかったですね。
キュレーターのみんなって、それぞれが「最強の飲み会幹事」(笑)。
企画できて、素敵な人を集められて、その場を回せる人が11人も集まってるんですね。
ーー紘大さんも同じタイプですもんね! これだけで盛り上がりそう。
キュレーターの人数は地域によって違いがあるんですか?
紘 地域によって違います。人数が少ないと必然的に1人あたりの負担は大きくなってしまいますが、新潟市100人カイギキュレーターは他地域に比べて人数が多かったこともあり、誰かが急遽打ち合わせに来られなくなってしまっても準備がきちんと進行していました。
なかでもキュレーターの櫻井さんは「打ち合わせやるよ!」っていつも声をかけて、お尻を叩いてくれる頼れるリーダー。
キュレーター同士で作業が被ってしまわないための交通整理などを担ってくれたおかげで、新しいアイデアを実現するための楽しい時間をたくさん作ることができました。
新潟カイギの裏側②楽しみながら新しいアイデアを形に
新潟キュレーターはイベント慣れしているメンバーが多かったこともあり、打ち合わせの段階で「次はこんなことやってみよう」「他の地域と違うことをしよう」といったアイデアが毎回飛び出す。
くわえて全国で唯一、コロナ禍に始まりコロナ禍に終わった地域でもあった。
zoomなど配信技術を導入し、リアル+オンラインのハイブリッド運営スキルが身についていった(ハイブリッド運営のスキルについては、後日別の記事で紹介させていただく)。
紘 他の地域と違う点の一つに、毎回会場を変えたことがありました。
初回からフィナーレまで20箇所、新潟にある貸し会場を回って。無料で貸し出してくれる大学の広い教室なんかで行うのが100人カイギの定番なんですが、新潟は広いのでいろんな会場があるって知って欲しかった。
それに、演芸場のような「え、ココ!?」みたいなところでやるのも面白いじゃん、と(笑)。
このおかげで、賃料・Wi-Fiの有無や駐車場、スクリーンはあるのかなど、イベント運営をしていく上で使えそうな会場のデータが溜まりました。
これは100人カイギが終わっても今後に活かせそうです。
そんな新潟市100人カイギキュレーターの動きは徐々に広まり、「100人カイギの模範的な地域」として知られていった。浜松市が実施する際にはサポート役として企画に参加。新潟を多くの人に印象づけることが叶った。
新潟カイギの裏側③大きなトラブルなく、笑顔で完走
これまで2ヶ月に1回のペースで実施してきた新潟市100人カイギも、ついに2022年6月25日にフィナーレを迎えた。
これまで以上に「いつもと違うことをしよう」と、イベントの構成を変更。
イベントを2部制にし、従来の「ゲスト登壇→交流会」という形を1部、「新潟未来会議」と題してトークセッション形式でお届けする形を2部とした。
紘 「新潟のゲスト100人を集めたポスターを作りたい」というのは、フィナーレを迎える前から決めていました。
というか、それがやりたくて始めたんです。
これは叶わなかったけれど、新潟駅前なんかにバーーン!と何枚も貼り出したかった(笑)。
100人の笑顔が映った圧巻のポスター。同デザインを表紙に用いたパンフレットも作成し、フィナーレの雰囲気を大いに盛り上げた。
当日はこのような分担で進行し、紘大さんは主に全体統括を担当。
連絡を密に取り合い、来場してくれる方々、登壇してくれるゲストのために細やかな気配りも忘れない。
大きなトラブルなくイベントは進行した。
さらには、フィナーレということで100人カイギの発起人である高嶋 大介さんが東京から足を運んだ。
「新潟チームのクオリティは本当にすごい」「全国でも見本になるようなチームワークだった」とのお褒めの言葉をいただいて、賑やかで温かい空気のまま、新潟での100人カイギは完走を果たした。
100人カイギが終わっても「アイデアの小爆発」には終わりがない
紘 今は「走りきったーー!」という達成感でいっぱいです。
ーー本当にお疲れ様でした。
今回華々しくフィナーレを迎えたということは、もう他の方が新潟で開催することはできないんでしょうか。
紘 いえ、地域設定は結構自由で、新潟の市区で区分けすることもできるんです。それに地域ではなくポジションで区分けしている「診療放射線技師 100人カイギ」なんてものも。https://100ninkaigi.com/areas
だから、ここで終わりというよりはアイデア次第でいくらでも面白いことができるんです。
ーー100人カイギ以外のプロジェクトや建築に関しても、紘大さんはいつも「面白いこと」を最上のクオリティで追求している印象があります。
紘 そうありたいと思っています。
自分の面白いことと誰かの面白いことがぶつかると「アイデアの小爆発」が起きます。そうするとまた新しい何かが生まれる。イベントが終わってもこの循環が終わることがありません。
ーーチームで何かを作り上げる醍醐味ですね。
紘 これからもその醍醐味を楽しむために、挑戦していきたいと思います(了)。
/週1で住宅にまつわるアレコレをゆる〜くお届けするラジオ始めました\