14 公会計でも発生主義の勉強を
自治体の財政についてはプロ中のプロの方が、前回の記事を紹介してくださいました。
公務員も発生主義会計を理解した方が良い、という趣旨で書かれています。
この中で大事なのは、「年度内の収入と支出の均衡を図ることに長けた現金主義で公会計の制度が構築されていったわけですが,その結果,年度を超えた長期的な債権債務の管理がおろそかになりがち」という指摘です。
一般会計で慣れると予算を執行して事業を行うことには長けるのですが、起債については事業課では管理どころか財源としての把握すらしていないので、自分たちが補助金をもらってきて建てた建物が、実は借金コンクリート(昭和の言葉だな)ということを意識しません。
その結果、事業課だけでなく首長もまた議会も、ひたすら事業を実施することばかりに知恵を絞り、「年度を超えた長期的な債権債務の管理がおろそか」になってしまいます。
実際、私がお伺いしている公立病院でも「来年の玉(目玉事業)は…」という言葉を聞くことがあり、「企業会計でそういうことをやると後の人が困るんだけどな」と心の中でつぶやくことがあります。玉を出すことは良いのですが、その財源が起債では後で収益からどうやって返すか、その時点の人の責任になってしまいます。
確かに起債元金の半分は繰入が認められていますが、そうやって入ってくるからやって良いというものではありません。最終的には当年度の損益の中で処理しないといけないものなのです。
長部局から来る人が、病院でそういう予算体系を勉強してくれれば、一般会計でもきっと役に立つと思います。
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