頭が悪いと思われる話し方はしたくない
noteの記事は、読んで役に立つとか面白かったという記事が好まれる。僕も個人的な雑感やただの報告よりはそちらの方を読んでみたいと思う。
その中で、僕はどちらかというと面白くもないし役にもことを書き散らかしているんだけど、まあ、備忘録ということでまた書いてみる。
逆接ばかりの話し方
高齢者になってこらえ性がなくなってきたせいか、最近のテレビやラジオのいわゆるコメンテーターみたいな人たちの話し方にイライラすることが多い。
何にそんなにイライラするかというと、逆接を多用してダラダラと話が長くて、いったい結論はなんで何が言いたいのかがさっぱりわからない話し方をする人がいるからだ。
逆接というのは、否定の接続詞を使って文をつなぐやり方で、「この冬は暖冬と言われています”けれど”、ここ数日は寒い日が続いています」の、”けれど”のような接続詞のことだ。基本的にはその前の文を否定してそれとは逆の状況を表現する文をつなぐことに使われる(と思っていた)。
上の文だと「この冬は暖冬と言われています」を「けれど」で否定して、「ここ数日は寒い日が続いています」として、暖冬のはずなのに寒い日が続くという逆の状況があることを説明している。僕はこの使い方が本来の使い方だと思っていた。
ところが最近は、前の文を否定するのではなくて、ただダラダラと続けるための接続詞として使う人が増えているように感じる。
先日のラジオ番組では、「この人は若手のミュージシャンとして注目されています”けれども”、最近新しいアルバムを出しました”が”、これも評判が良いよう”ですが”、なかでも歌詞の評判が良いよう”ですが”、プロモーションビデオも話題となっているよう”ですが”、ここで1曲紹介したいと思います”が”、これもなかなか良いですよ」みたいな話をやっている人がいて、聞きながらいったい何が言いたいんだ、とイライラしてしまった。
書き言葉で見ると確かにできの悪い文章で、校正の人が見たら、直ちに「この人は若手のミュージシャンとして注目されています。最近新しいアルバムを出して、これも評判が良いようです。なかでも歌詞の評判が良くて、プロモーションビデオも話題となっているようです”から”、ここで1曲紹介したいと思います。これもなかなか良いですよ」という風に直されるだろう。
(最後の”から”は順接の接続詞)
でも不思議なもので、話し言葉として聞いていたらそれほどの違和感がなく聞こえるので、こういう話しぶりをする人が増えているんだろう。でも個人的には、こういう逆接を多用してダラダラと話をする人は頭が悪いのではと思えてしまう。
試しに上の例文二つを声に出して読んで比べてみてもらいたい。最初の文は、違和感はないけどダラダラとどこが良いと言いたいのかわからないと感じるのではないだろうか?それに比べて後の文は、しっかりと良い点を強調した締まった表現に聞えないかな。
普段から気をつけないと
もともと日本語は最後に結論を話す構造なので、接続詞を使うことは多い言語なのだと思う。それに加えて、最近はこういう変な(間違った?)逆接の使い方を多用する話し方が一般化してきたのか、話のプロでない人たちは、短い文で話してそれを順接でつなげることに慣れていないように感じる。
そんな逆接多用の話し方をする人を「頭が悪い」と感じるのは、さすがに僕だけかもしれないけど、少なくとも正式なプレゼンテーションの場面ではイライラする人はいるだろう。つまり、ビジネスでも話し方で損をする可能性は高いわけだ。
そう考えると、普段の会話から気をつけないといけないんじゃないかな。
と言いながら、僕も気がついた、順接で繋げられるところをうっかり逆接でつなぐことがあるようなので、気をつけないと。