本会議場で静かに目を閉じる議員
きわめて久しぶりのノート作成です。
これまで読んでいただいていた方、申し訳ございません。4月末に体調を崩して9月で退職し、家でおとなしくしております。ぼちぼち体調も戻ってきたので、いろいろな感想などを書き散らかしてみたいと思います。
超しらべてみたら
年末12月28日にフジテレビ系列で放送された「超しらべてみたら」では、青森県議会の11月定例会の本会議場での議員の様子が紹介されていました。
放送はもう見られないので、ネットでまとめられていたことを紹介します。
アラ還おやじのコーヒータイム
https://mondainashi.net/11253.html
県民が聞いたら目をむいて怒りそうな状況ですが、幸か不幸か青森県にはフジテレビ系列のテレビ局はないようで、県民に広く知られることはないみたいです。だからこういう番組が作れたのかもしれません。
ツイッターでも話題になっていました。
https://mobile.twitter.com/hashtag/超しらべてみたら
さて、こういう状況はたぶん青森県議会に限ったことではないと思いますが、なぜこういうことになってしまうのかというと、個人的な意見としては、議会の運営そのものに問題があると思います。
議会日程
問題になった青森県議会の11月定例会は、11月24日に開会して12月9日に閉会しました。
この間の議会日程は次のようになっています。
11月24日(木) 開会、会期決定等の議会手続き、議案上程と知事提案理由説明、閉会中の決算特別委員会の報告と討論、採決
11月25日(金) 議案熟考のため休会
11月26日(土) 休会
11月27日(日) 休会
11月28日(月) 議案熟考のため休会、一般質問内容通告締切(午後1時)
11月29日(火) 議案熟考のため休会
11月30日(水) 一般質問(4人)、※意見書等提出締切、請願・陳情受付締切:午後1時
12月1日(木) 一般質問(4人)
12月2日(金) 一般質問(4人)、議案等に対する質疑通告締切:午後1時
12月3日(土) 休会
12月4日(日) 休会
12月5日(月) 議案熟考のため休会
12月6日(火) 質疑(6人)、議案及び請願・陳情委員会付託
12月7日(水) 常任委員会(午前11時~)
12月8日(木) 追加議案への質疑(6人、うち2人は質疑も行った議員)
12月8日(金) 常任委員会報告、討論、採決、知事挨拶、閉会
一般質問は、午前10時半に開会して9月議会の例では午後5時前後に閉会になるようです。
元公務員で議会対応の経験もある立場から見ると、まあ寝てもしょうがないな、と思わせる日程です。
14日間の議会の中で、議員間の意見交換と言えるのは初日と最終日の討論だけです。土日の休会日4日と委員会1日、開会日・閉会日を除いた6日は、一般質問4日、質疑1日、追加議案への質疑が1日となっています。これらはすべて議員から知事をはじめとする執行部への質問または質疑で、議員同士の議論の場ではありません。委員会も、基本的には議案の内容や陳情などについての執行部への質問がメインですから、議員が議案の良否や賛否について議論する機会は限りなくゼロに近いことになります。
執行部への質問や質疑では、ご自身が興味のあることや選挙区に関連することが中心になると思われますから、質問や質疑を行わない議員も緊張感をもって本会議に臨め、という方がはっきり言って無理です。(そうであるべきではありますが)
今回は青森県議会が話題になっていますが、実のところどこの都道府県議会、市町村議会でも大差はないのではないかと思います。
(昔私がいた村の議員が6人の議会など、小規模の自治体の議会ではお互いが目の前に見えるのでさすがに寝る議員はいらっしゃらないと思いますが)
議員って何をする人?有権者は?
ネットで「議」の意味を調べると「意見を出して話し合う」と出てきます。また、「あれこれ批評する」や「意見」という意味もあります。
つまり、意見を出して話し合ったり批評したり意見を述べることが「議」であり、選ばれて議を行う人が「議員」で、議員がそれを行う場所が「議場」となるはずですが、実際には執行部への質問がお仕事になってしまっているんです。
議場で寝る―いや静かに目を閉じる議員を問題にするのであれば、議場を議員同士が議論する場面にするように努力すべきですし、主権者である私たちがもっと議会に足を運んで、本会議や委員会で議員は何をやっているのか、それが本当に議員としてやるべきことなのか、ということをチェックすることが大事だと思います。
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