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あいとともに

「隅田川を眺めに今日の夕方一緒に行かない?」

 私は図書館で本を読んでいました。読書に飽き、窓から、駅から出てくる人をボーっと眺めていました。そんな時に連絡がきたんです。

 ドキッとしました。急いでエレベーターで図書館を出ます。夕方までまだ時間があったので、ちょくちょく話をしに行くオーナーのいるカフェでコーヒーフロートを飲みました。甘い気持ちでパクパクアイスクリームを食べます。一瞬でなくなってしまいました。
残ったコーヒーをちびちびスプーンで掬います。アイスとコーヒーが混じり合い茶色く濁っています。

「車とってくるから、私の家の前で待っててくれない?」

 連絡がきました。扉を開けてもらい、段差を緩やかにするスロープの付いた入口を出ます。オーナーは言いました。
「デート頑張りなよー」

 彼女の家の前にいると、彼女が自転車に乗り曲がり角から現れました。小さく手を振り合って、その子は目の前を通り過ぎていきます。後ろにはもう一人自転車に乗った男の人がいました。

 20分がすぎ、陽は落ち暗いです。ようやく来た車にはもう一人別の男の人が乗っていました。

彼女と私には男の人二人分の距離があります。

 彼女はあとから現れた男の人に私を押させます。せっかく二人でいれると思ったのに。前にいる彼女に触れられるのは私じゃない。

川を渡る風が優しすぎるのか私の頬はいつまでもぬれたまま。

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