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【愛着・AC 克服記録】Column 4-5 アダルトチルドレン克服のメカニズム (補筆)

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5-1. 克服過程ダイジェスト


今回は追加説明ということで、概要だけ振り返ります。

その後、説明が不十分だった「親の追体験」と「依存の克服」について追加説明します。
(今回は文字だけです。文字苦手な人、すみません)


克服記録 Part 7, 8 と Column 4-2 では、「感情を蘇生」する作業をしました。

ここは、ノートを使うなど、細かい方法は書いたので割愛します。

このステップは、「自分の心の中には、自分発信の感情・欲求を担う人と、他人発信の感情・欲求を担う人が共存しているんだ!

この概念を実感できればクリアです。


ここで重要なのは、小学生以降、学校だったり職場における嫌な記憶系はぜーんぶこの段階に入ることです。


(この感情さんと理性さんの相互理解は50%くらいでOKです。”死にかけていた感情さんが認識できるレベルに復活" するのがポイント。それ以上は、長い時間をかけてゆっくりやっていくものなので。)

克服記録 Part 9 と Columun 4-3 では「親の追体験」をしました。
克服記録 Part 10 と Column 4-4 では「依存の脱却」をしました。

この2つについて、本コラムでは説明します。

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5-2. 親の追体験について ― 親の人生を知ろう


ここは AC 克服の重要ポイントなんですが、具体的方法が欠けていました。

そこにフォーカスして説明します。


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① そもそも、なんでこんな方法を思いついたか?

この方法は、僕自身が「感情の蘇生」作業をしている中で、「自分の親はどんな人生を歩んだのだろう…」という疑問からはじめました。


基本、イメージだけです。


「仕事してるときって、こんなかんじだったんだろうな…」
「学生時代は……?小・中・高時代は…?幼少期は…?」

考えるたびに、すごく悲しくなりました。


連鎖しているから。



ですので、「今、この瞬間の自分が、どれくらい親の人生を知っているか?」

を考えます。

何が難しいかって、「自分以外の人間の人生を振り返る作業」だからです。

ここでは、「塩親」・「毒親」で分けて考えます。

(以前、フォロワーの吾妻さんという方に提案していただいた、「塩→糞→毒→鬼」という AC 親の分け方はすごく良いと思ったのですが、無断で使うのも良くないので今回は2つで)
※塩親 = 有害ではないが、愛情も薄い親, 毒親 = 有害性がある親という造語です。


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② 塩親・毒親家庭に共通する点

これは、「親の履歴書・戸籍情報を書けますか?」と考えるとわかりやすいです。

塩親の場合は、問題は母親との関係性にあるので母親側だけで十分。

毒親の場合は、父親からの DV・虐待などの被害もあり得るので、両親の追体験が必要かもしれません。


履歴書なら

・生年月日・出生地 (どこで生まれ、どこで中学・高校くらいまで育ったか)
・職歴・学歴 (ここはホント人それぞれです)
・趣味・特技・アピールポイント
(ここの具体性が、そのまま "親の理解度" と考えていいでしょう)

戸籍情報なら

・どうゆう血縁関係にあるか?
(特に、自分自身が祖父母の人となりを知っているかは超重要です)
・どうゆう結婚・離婚履歴があるか?
・戸籍ではないが、どうゆう恋愛遍歴をたどっているか?
など

まずはこういった情報を集めます。

ちなみに僕の場合 (母親のみ)

戸籍
・生年月日, 出生地, 小~大学の学歴は知っている
(〇〇学校という名前と、どこの土地か程度)
・職歴も大雑把には知っている (最初から小学校教師だった、という具合)
・趣味・特技・アピールポイント
(これはあんまり考えなかった。韓流ドラマが好き、ぐらい)

戸籍情報
・血縁関係・離婚歴は、ややこしい家ではなかった。
(複雑な家庭の場合は、このへんは鍵かも)
・恋愛遍歴は一切知らない (母親 ― 女性の場合は、共感する上で重要かもしれない)

こう振り返ると、僕自身 "かなり断片的な情報" だけで克服できたことがわかります。



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③ 塩親・毒親で変わってくる点 ― 親と祖父母の関係性

ここが、塩親・毒親でかなり違う可能性があります。

ポイントは、「両者の関係性」です。

自分の親にとっては、自分の祖父母が塩親、あるいは毒親だったわけです。

当時はそんな概念すらないでしょうが、同じ苦しみは抱えていたでしょう、連鎖するものなので。


ここは、「どれくらい実体験として知っているか」がポイントです。

塩親家庭なら、祖父母の家に帰省するタイミングなどもあったでしょうから、なーんとなく関係性が見えたりします (僕は実家が二世帯だったので間近で見ていました)

毒親家庭の場合は、祖父母に会う機会がほとんどなかった可能性もあります。
その場合は「そうゆうやり取りすらできない関係性なのだ」と理解するのが重要です。
(僕は塩親家庭なので、ここのアドバイスがふんわりしてます、すみません)



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5-3. 親の追体験の具体的方法


このやり方は人それぞれ得意不得意があるでしょう。


ここで、重要なのは…

真実である必要は、ない!


というか、

フィクションでいい!


ってことです。

この克服段階は、「親に憎悪を向け続けても、むなしいだけだ…」ということの自覚が最終目標です。

なので、「親も自分と似たような苦しみを抱えていた同類なのだ

と気がつけば、次の「依存の克服」段階に進めます。


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僕がやるとしたら…というやり方だけ紹介します。

①. 親の主観的視点から (FPS みたいな)

一番効果的なのは、このやり方かな?

「感情の蘇生」段階で、自分の人生はだいたい振り返っていると思います。

そこに、「親の履歴書・戸籍情報を貼り付けて」、「自分と似たような人生だったんだろうなぁ」と主観的に考えます。

走馬灯のように、出生、、、幼少期、、、小学生、、、などを数十秒のショートムービーみたいに妄想します
(↑あくまでも、真実を探り出すのではなく、親への憎悪を解消しよう!という作業であることを忘れずに)


順番は逆でもいいです。


イメージしやすい、自分の幼少期の親をスタートにして、だんだんさかのぼっていく……


案外、細かいエピソードが重要です。

・親の癖
(僕の母親なら、ヨーグルトが欠かせない、常にピリピリしている夜遅くまで起きている、片付け苦手、車の運転の癖、家の料理…などなど)
・父親との関係
(僕の幼少期は父親とそこまで仲良さそうではなかった…など)
・両親ー祖父母との関係
・親の交友関係


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② 親を俯瞰的・客観的に捉える (映画みたいな)

どうしても親の主観的視点で捉えられない人向け。

親が主演の映画を見るようなイメージで。

これも走馬灯なかんじでいいと思います。


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③ 文章とか絵で書く・描く

これは映画とかドラマ的なイメージが苦手な人向けです。


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④ 全体の流れ

いきなり全部をつなげて再生、は難しいので、時期ごとに考えてみます。


僕が実際にやった方法は、「感情の蘇生」作業終盤からはじめました。

夜、家に帰ったあと、なにか作業 (マフラーを取る、服を脱ぐレベル) をする前に、2-3分くらい親の人生を考えました。

これを一週間くらい続けました。
 (克服作業しないと死ぬ、というほど追い詰められていたので一週間で終わりました)

その頃は感情復活気味だったので、けっこう心に来るものがありました。


大まかに把握したら、出生~自分の出産・養育までを通しでイメージします。

これ、きついです。


とくに、出産・養育時期の自分を「親視点」で眺める。

動いている自分を、他人である親の視点から再体験する。


奇妙な話ですが、この過程を丁寧に追体験することで、「親への怒り・憎悪」という長ーく、暗ーいトンネルを抜け出すことができます。

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5-4. 依存からの脱却の方法


「親の追体験」を超えると、「依存からの脱却」になります。


ここは、けっこう楽です笑


この段階は、あくまで「自分が何に依存しているか?社会生活的に、精神的に寄りかかっているか?」

これを "自覚すればいい"


からです。

「あー、自分は仕事で良い成果を出すこと、出世することに囚われていたんだ…。この立場を失ったら、自分という人間を保てないと思いこんでいたんだな…」

「主婦という立場を死守することが、自分の存在意義になっていたんだな…」

「仲間内・同僚の中での立ち振舞い、マウンティングに心を囚われていたな…。そんなもの、どれだけいい立場を獲得してもむなしいだけなのに…」

ってな具合で、自分の存在価値・生きている意味・他人より優れている点・失ったら自分を保てなくなるもの…

これを認識して、一旦荷物を下ろす。


これだけです


上に挙げたような、「社会的に意味がある自分!!」というものを一旦横において、「そうゆう鎧を剥ぎ捨てたら、中身はひ弱な人間だ

自分はなににすがって生きればいいんだ…??

現実世界には、自分がすがっていいものは一切存在しないんだっ!!

という "認識" がゴール。


超、本質的な「依存の克服」はこの段階では不可能です。


薬物、アルコール、買い物、摂食障害、性的依存などなど…は、アダルトチルドレン・愛着障害克服を済ませてはじめて取り組めます。

↑依存の克服は、めっっっっっっっっちゃくぅぅぅぅちゃ、難しいです。

でも、依存と付き合いながら生きていく方法はあります。

依存の質・対象を少しずつ変えながら、生活を良くしていきます。
(そのへんはまた、そのうちコラムで)


長々となりましたが、こんなかんじです。


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