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【愛着・AC 克服記録】Part 5 アダルトチルドレン?

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「ながらで克服!」〜愛着障害・アダルトチルドレンを克服した中の人の話〜
#006 アダルトチルドレン? (Part 5 解説)

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(2018.10.18 Twitter より推敲・再掲載)

5-1. 梅岡さんの本を読む ― 愛着障害?AC?何が違うの?


(2018.09月の話)

画像1

(画像転載許諾を取ろうとしましたが、面倒くさい雰囲気を感じたので断念。イメージだけ)

梅岡幸子著「生きづらさの正体はアダルトチルドレン。その根本原因を解消し、楽な生き方を手に入れる。30分で読めるシリーズ」(amazon Kindle 323円)。

 今この瞬間に読みたいのと、値段とで、即買い。

(再掲載時注: 愛着障害もアダルトチルドレンも、本に書かれている概念としては、家庭環境・親子関係に起因する心の問題、という理解で良いです)

 一時期「自分の取扱説明書」みたいのが流行ったが、この本の序盤の、アダルトチルドレン (以下、Adult Children = AC) の症状部分はデジャブ感すらあった。「これ僕が書いたんか?」と思うほど。詳細は書籍を参考として、僕は、頑張っちゃう "ヒーロー"と、自分を抑えちゃう "ロストチャイルド" の傾向が強かった。

(Twitter 掲載時注: 愛着障害も AC もそうだが、どのタイプにどれくらい当てはまるか?ということは、自分の問題に気づく入り口としては良いが、克服する上では本質的には関係ない。
「不安型?、回避・恐れ型? (愛着障害)」
「ヒーロー?ロストチャイルド? (AC)」
これらの根本原因は同じで、環境によってそれぞれの色合いが異なるだけ。
"その奥の心の闇" に気づけるか?)

 この本は、冒頭の AC の説明に始まり、症状編、克服法編で構成されている。症状編は「もう知ってる笑」だったので、克服法編に目を走らせる。

1. カウンセリングを受ける
 カウンセリングは、もう受診済み、なんなら退院済みだ。ただ、カウンセリング受診時の選び方として、「まともな環境で育って、良い家庭を築いている、男性カウンセラー」がおすすめされていた。僕の担当A氏は…真逆だったような気もする (雰囲気だけだが)。

2. 溜め込んだ感情を解放させる
 ここは、最初読んだ時はピンと来なかった。感情を溜め込んでいる、という感覚が分からなかったから。言ってることはわからんでもないけど、「辛かったね、悲しかったね」と自分に優しい声を掛けることに、強い抵抗があった。しかし後に、この項目が最重要項目・技術の1つだとわかる。

(再掲載時注: この "感情の解放" の技術は愛着障害・AC克服に必須の技術。僕はこの本の書き方だとしっくり来なかったけど、この本の表現と相性が良い人も多いと思う。感情の解放については、克服記録上の僕が理解できたタイミングで後ほど説明する。)

3. 自己肯定感を上げる = "褒める" メソッド
 僕はこの点については、今も懐疑的である。この時はよくわからんので、言われたとおり100均でノートとペンを買って実践する。
"部屋掃除した → きれい好きだね、きちんとしてるね"
"土曜日もがんばって仕事したね → 偉い!"
 2-3日続けたけど、んーー?ってなってやめた。

(再掲載時注: この "褒めるメソッド・ホメ療法" ………。批判が来るかもしれませんが、断言します。「ニセモノ」です。
理由は別途コラム等で書きますが端的に。
愛着障害・ACが目指す状態の1つが、「感情と理性が "対等" に意見表明できる状態」です。一方で、"褒める" という行為を考えてみると、目上のものが目下の者にする行為です (褒めることそのものが悪いわけではない)。
ですので、自分の中で感情を "格下" に捉えてしまっている間は、絶対に愛着障害・ACは克服できないのです。子供に偽善的に接するのではなく、子供を闇から救い出すんです。)

【4. 「今ここ」の感情を取り戻す (この本にも書いてあったのか…)】
 正直読み飛ばしてました、意味わからなくて。今思うのは、これはとても "即効性がある" 技術だ、ということ。こちらも、僕が理解できた時系列で説明。


(再掲載注: この先は………まぁ読んでみてください……… 。コメントは控えます。)


 僕は敢えて批評的に書いたが、梅岡幸子著「生きづらさの正体はアダルトチルドレン。…」は端的で良い本だと思った。安いし。著者の伝えたいニュアンスの部分は、どうしても受け手との相性との兼ね合いになる (気持ちの問題ならなおさら)。

 ただ、この本の読後の、率直な感想は、
「愛着障害とアダルトチルドレンは何が違うの?」


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5-2. 迷える羊 ― 岡田先生の最新著作を読むが…


 セラピー本の迷える羊の僕は、次なる本を探した。
(こうゆう時に使える本の情報とかをもっと共有できたらいいなぁ)

 その時のセラピー本探しの中で、克服物語の原点となった岡田尊司氏が新著を出していることを知った。

神キターーー!と震えた。

画像2

(画像転載許諾考え中……でしたが、怒られそうなので断念。たぶん無理…)

岡田尊司著「愛着アプローチ 医学モデルを超える新しい回復法 (角川新書)」(amazon Kindle 1700円)

 内容は、序盤~中盤はこれまでの理論の補強 (ちょっと学術書を意識しているようにも感じた)。
 重要なのは終盤。ここには、克服プログラムの内容が書いてある。
 僕は「あぁ、この本で救われるのだ」と目を走らせた。

 最初は認知・行動・感情の三すくみの関係について。この点は、僕は前のカウンセリングで "認知行動療法" を習得していたので、ふむふむ、そうね、と読み進めた。(再掲載注: 三すくみであることは、よくわかってない)。でも、もし以前にカウンセリングを受けていなければ、ここでも時間がかかったかもしれない。克服のスタート地点では、どうしても無傷な人の助け・支えが必要なのだろう。
 健康な人なら、身近な人に、ぱっと頼れるのだろう。それができないことが、愛着障害やアダルトチルドレンの苦痛なのだ。
 ただ、生きたい、それだけで余計に金がかかる。

 克服編、次は愛着障害の理解について。この本は、カウンセラー向けの教則本的な書かれ方もしているので、なかなか漢字多めで読み疲れる (お前の note はどうなんだ?)。
 この本で不思議だったのは、これまでの表現が変わっていること。
「不安型 → 両価型」「回避・恐れ型→恐れ・回避型」
詳細は知らないが、後者については特性の強さの考慮か?
 悲しかったのは、この本の話の流れが "脳の性質" にいってしまったこと。脳の機能ってことは、結局僕は発達障害ということだったのか?と落胆した。
(一言添えたいのは、僕の認識は、たかが "気持ちの苦しみ" = "本人の気の持ちようでしかない"、というものだから苦しかった。誰にも打ち明けられなかった。身体の問題なのか、心の問題なのか、著者の配慮が問われる。)

 だが、この本の衝撃はここでは終わらなかった。

 「初級導入のまとめ」ページをクリックして、めくる。
 カチッ…

 そこからは今後の行程表のタイトル箇条書きが羅列されているだけだった。


………?


ええエエエぇぇぇぇぇぇ!!!????
ないんかよ?その先を知りたいんだよ????


 もしかしたら、この先、岡田先生から更なる続編が出るのかもしれない。でも、この時の僕は、「岡田先生も克服法知らんな」と感じた。
(再掲載注: 中途半端な本を出して、苦しむ人から何を搾取しているのか)

 羊は彷徨う。
 もう少し専門家向けの方が、情報が多いか?と思い、専門雑誌を調べた。
こころの科学198号 現場から考える愛着障害」1480円 (日本評論社)
精神療法 Vol.43 No.4 (2017) 特集愛着障害」2160円 (金剛出版)
 どちらも、"観察する側の人が対象の動物を理解する" ための本だった。

(Twitter 掲載時注: この表現は感情的に書き過ぎた。ただ、医療関係者・研究者の情報収集用に書かれていて、悩める当事者に具体的な手を差し伸べているわけではない、というニュアンスを伝えたかった。愛着障害の研究の歴史、今どういった方向から研究が進められているか、を理解できる点では良かった)


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5-3. 斉藤先生の本に出会う ― 2度目のカウンセリングへ


とにかく「何をしたらいいのか?」
答えを知りたい羊はまだまだ彷徨う。
そこで出会った本。

画像3

(画像掲載許諾考え中。これは出しても怒れられんだろう)
(追記: 出版社が倒産してました。断念)

斉藤学 (さとる) 著「『毒親』の子どもたちへ」(単行本 1010円)

 斉藤先生は、毒親・AC論を日本に輸入した先駆者でもある。この本には、序盤こそ毒親論を支持することが書かれているが、中盤からは、毒親論に囚われている人を叱咤し、そこからいかに脱却するか、が書かれている。
 今 (Twitter 掲載時)、書きながら手元になくて振り返れないのが残念だが、読んだ時の感想は、「結局いかに気持ちに折り合いをつけるかなんですね…」という少し突き放された印象。もちろん無下に断るのではなく、可愛い子には旅をさせろ的な斉藤先生の愛は感じるが。
 結局、具体的方法は、わからなかった。

 ただ、斉藤先生について調べると、ACに特化したカウンセリングルームに携わっていることを知る。
「正直、ここでだめなら、諦めて辛さと折り合う人生を過ごすしかない」
 価格が1回 10,000円と高額だったため、一旦保留し、他のカウンセリングなどと一週間比較しつづけた。1回 30,000円もする宗教臭いセラピーも、行くか真剣に悩んだ。
 僕はさんざん悩んだ挙げ句、もとの斉藤先生提携のカウンセリングを選んだ。初回 10,000円、継続12000円 (50分)。高い、高いけど、辛さが無くなるなら、光が見えるなら、それだけよかった。すぐに電話して、一番早く空き枠があって対応してくれる、男性カウンセラーT氏を選んだ。

 カウセリングの初日は、9月の最後の日だった。
 T氏 (男性, 50代) だったのは、偶然だが、結果的にはよかった。
 まず、梅岡氏の AC 本にも、男性カウンセラーの方が良いと書かれていた (ここは…結局相性な気もするけど)。
 あと、僕は "恋愛転移" が怖かった。もう頭でわかってしまっているから、「あぁ、これは錯覚の感情なんだ」と。
 この辺までくると、好意という感情すら憎かった。


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5-4. 親に毒親本を突きつけてみるが…


 このカウンセリング予約の数日前 (9月22-24日の3連休) 、僕は帰省した。たびたび書いているが、うちは毒親 (毒が強くて愛がない) ではなく、塩親 (毒も愛もない) なので、特別縁を切っているわけではない。表面的関係だけなら良好だ。
(Twitter 掲載時注: この"愛"がない、って表現も、ついこの間までは漠然と『愛は…愛ですよ』と意味もわからずに使っていた)

 僕はその時、斉藤先生の本を携えて帰省した。正直、戦場に出兵するような悲壮感しかなかった。「親に、この本を突きつけられるか?」「お前らのせいで、僕の人生はおかしくなったんだ!、と主張できるか?」終始落ち着かなかった。ただ、家につくと、兄夫婦も来ていた。その日は地域のお祭りでお神楽も来ていたので、戦闘は避けた。

 翌日、昼前くらいまで部屋で寝ていると、「お前には親孝行の気持ちはあるか?いや、別にいいんだ、田んぼ仕事を手伝ってはほしいんだけどさ?あーいやいや、無理しなくていいんだ、お前の好きにしろ?な?」的なマウントを両親から受けた。
 ………なんだろうな?イラつく。確かに実家で昼まで寝てる僕が悪いのかもしれんけどさ、"感情を逆なでして自分の期待通りの行動をさせよう" ってのは「毒親」の行動原理そのものだよ?

 腹立たしかった僕は、居間のテーブルに「毒親本」を目立つように放置して、手伝いに出かけた。キャッチーなフレーズだ、さすがに気づくはず。あとは開戦の火蓋が切って落とされるだけだ。

 ………しかし両親は、全く気づかなかった。唖然とした。普段、本を読む習慣がないのもあるのだろう。結局、緊張状態のもやもやを抱えたまま、僕は帰京した。
 週明けには父親の Facebook が更新された。
「息子が田んぼ仕事手伝ってくれました!」
 その記事のいいね!と、僕の憎悪が、比例して増して行った。

 僕は、親との国交回復交渉は断念した。ここを回復すれば、母親の愛情を再び手に入れられる、そう思っていたのに。その後の一週間、僕は「この週末にはカウンセリングだ、それまで絶望の中、辛抱しよう」と覚悟を決めて耐えていた。


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5-5. 克服の転機 ― とある本との出会い・Twitter 開設


 そんな状況の中、amazonで、妙におすすめ欄でチラチラしている本があったので詳細を見た。

――ここから僕の克服物語は進路を変える――

 岡田先生に絶望した頃、僕は Twitter でも情報収集を始めた。その時は、数年間動いてない塩漬けアカウントを使って検索していた。現在進行系の話はツイッターが一番速いと思ったから。
 しかし、「愛着障害」「アダルトチルドレン」「生きづらさ」で検索しても、出てくるのは個人の突発的感想、あるいは無機質な bot ばかりだった。Twitter の性質を考えれば、個人が感想をつぶやくのは当然だ。それよりも、共通の悩みを持つ人たちの間で、何か有益な情報が共有されていないことが、悲しかった。

 だから僕は「酵母マン」アカウントを立ち上げ、再び Twitter を始めた。
 再始動の前日、10月07日は、僕の28回目の誕生日だった。
 少し見栄を張って、ケーキを2つ買って、独りで食べた。

 2018.10.08 愛着障害・アダルトチルドレン克服用アカウントの開設。
 僕は自身の経験の記録を始めた。


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Part 6 「自分に関係ない本かと思ったら」

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