【noteで小説を書き続けるために】小説投稿サイトで連載をしていくにあたってやるべきこと(2017年8月号特集)
途中で中断しないようしっかり計画を練ろう
小説投稿サイトに小説を書いて、途中で挫折しないようにするためには、まず計画を練ること。
つまり、書き出す前にプロットを作る。または、ストーリー上のいくつかの通過点と結末ぐらいは事前に考えておこう。
いったん書き上げてから1話ずつWEBにアップしていくのが理想だが、それだといつ完結するかわからないという人は、あらすじができたら書き出してみるのも手。
直しながらの公開にはなるが、他人に読まれることで続くかも。もともと完結できなかったのだから、そうなれば結果オーライだ。
その際、「これが言いたい」ということを―つ次回に残しておくと、また次も書こうという気になれるのでおススメ。
どうしたら読者がつくか考えよう
読者がつくとモチベーションが上がるが、読者が得られないとしたら、その原因は?
読者のニーズに合ってない。
文章が読みにくい。
文字量が多い(少ない)。
小説は自分の欲求が疑似でも叶うから読むというところも。読者が求めるものを考えよう。
また、WEB小説の場合は地の文などもあまり書き込まず、文章も平易で軽めがおススメ。1回の文字数も、毎日更新なら3000字、毎週なら1万字など適正な数字にするようにしよう。
書き続けるには読者は必須。面白ければ自ずと読者も増えるが、自分は変えず、しかし、合わせられるところは読者に合わせるという姿勢も必要だ。
WEB小説家はタフでなければならない
きついダメ出しにも耐えられるメンタルを
読者の感想の中には好意的でないものもあり、欠点を指摘されれば傷つくし、腹も立つ。
創作は繊細なもので、気持ちが萎縮すると途端にアイデアがしぽんでしまう。そうなってしまう人は感想を読まないほうがいいかもしれない。
しかし、だんだん耐性がつくものだし、いい意見もあるから、すべてシャットアウトせず、自分にとってプラスになることは生かし、ならないことは読み流せるといい。
WEBで公開するのだからいろいろな意見があるはずだが、それに耐えられるのもWEB小説家の資質のうちだ。
WEBの世界は正直。数字はうそをつかない
小説投稿サイトに作品をアップすると閲覧者数がわかり、そうなると言いわけはできない。
友人に読んでもらったとして、そのとき、「今どきこんな小説は流行らない」と言われたとする。
その場合、「それは君の個人的な意見にすぎない」と否定することもできるが、WEBの場合は「閲覧者」として客観的データがはっきり出る。
しかし、正直というのは利点だ。面と向かって意見を言う場合は、気をつかってお世辞を言ったり、欠点を言いよどんだりするが、数字は嘘をつかない。だからこそきついのだが、だからこそ正しい評価が得られる。
WEB小説家に学ぶ! 読者を増やすコツ
更新は定期的に
更新は定期的というのが基本。毎日でも毎週でもいいが、3日連続で更新したと思ったら3か月更新なしでは読者も困る。
更新時間は、いつ、誰に読んでほしいかによる。通勤時に読んでほしければ午前7時とか、疲れたサラリーマンに家に帰ってから読んでほしいと思えば午後6時とか。1話分は毎日更新なら3000字ぐらい、毎週なら2万字でも(サイトの規定で字数制限がある場合はそれに従ってください)。
タイトルは工夫する
紙の小説の場合、読者は店頭で手に取り、冒頭や解説を読んだあとに買うことができるが、WEB小説の場合はタイトルを見て読むか読まないかを決める。だから、「夏の朝」なんてぼんやりしたタイトルはだめ。「小説家になろう」の1位に『無職転生 ー異世界行ったら本気だすー』があるが、内容表示になっているのは絶対条件。機能としてタイトルまわりに簡単な内容や、内容を表すタグを付けられる場合はおざなりにしないで!
あらすじを面白く
タイトルと同じく、WEB小説はあらすじが重要。まずはあらすじで面白そうと思わせたい。それもあらすじ全部を読んでからそう思われるのではなく、あらすじを読み始めた段階でそう思わせたい。あらすじには読者が検索するようなワードを入れ(これはタイトルについても同じ)、結末まで書かなくていい。あらすじでない情報(「書籍化されました」など)も、読む気にさせられるのであれば入れたい。
ストレスフリーに
WEBの読者は、隙間時間にスマホを見て、サクサクと読み進めたい欲求がある。このあたりは紙の読者とは違う。普段は小説を読まないという読者も多いので、文章は簡潔、改行は多め、頻繁に1行空きをし、話が停滞するほどの描写はしない。展開が遅いとそれがストレスになって読むのをやめてしまうし、思うように展開してくれないとそれもストレスに。ストレスを取り除くことがWEBの文章の第一歩。
引きのある終わり方を
1回完結で長い作品を一気にアップする場合もあるが、多くは1 話、2 話……のように細かく区切って連載小説のように書いていく。このとき、注意したいのは、「この章は設定の説明だけで、ここだけ読んでも面白くない」という章を作らないこと。つまり、1話を読んだら2話が読みたくなり、2話を読んだら3話が読みたくなるようにする。次へ次へと読者を引っ張っていこう。
1話の中にも起承転結を
連載形式のWEB小説は続きものでありながら、1話だけ読んでもすっきりするように、ある程度は1話ごとに完結させるといい。つまり、紙の小説のように起があり承があり、転で大きく盛り上がって結となるのではなく、起で出来事が起き、そのあと、承承承承承承承承承と続く。言ってみれば、テレビアニメの毎回の放送のようなもの。全体の流れはあるが、1回は読み切りでもある、というのが理想だ。
取材協力Crosgre(クロスグリ)
※本記事は「公募ガイド2017年8月号」の記事を再掲載したものです。