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【小説を書きたいけど何から始める?】挫折せずに書くためにステップを踏もう!(2020年9月号特集)


STEP1:題材

実感を込めやすい実体験をベースに

初めて小説を書く場合、全くの空想だと作品の中に入っていきにくい。やはり、実体験をベースに書くのがおススメだ。

これまで生きてきた中で、強く心に残っていることや、気づきを得たことを挙げてみよう。このとき、自分探しに傾倒すると失敗する。自分も面白く、誰かに話したら「へえ」という発見があったり、「そうそう」という共感を得られたりする話なら〇

題材になりやすいもの

「へえ」とおもったもの

特に短編の場合は、大きな感情ではなく、ほんの些細な「へえ」がいい。日常にあるちょっとした「へえ」をつかまえよう。

人生訓になりそうなもの

人生訓を得たような実体験があるなら、それを書けば読後にその人生訓が浮かぶ小説になり得る。そうした実体験を探そう。

なぜか心に引っかかるもの

心に引っかかるということは、無意識に関心を寄せているから。物語の形にすると答えが見えたりする。一度掘ってみよう。

答えがわからないもの

答えがわかっているもの、腑に落ちているものは書いても面白くなりにくい。解釈し直したいもののほうが発見がある

実話を抽象化し、違う素材を代入

自分の実体験をそのまま書くのは抵抗があるという場合は、話をいったん抽象化し、そこに別の素材を代入するといい
 ムリ君が書いた例2は、抽象化すると「秘密を知って、どうかなった」という話。ここに架空の設定を代入し、「主人公の両親は実は狼だった」とすれば、作者自身は自分語りをしつつ、しかし、見た目は全くの空想譚に仕上げることができる。

題材の例

  • 同窓会に行ったら悪い友達がいい人になっており、良い友人が悪い人になっていた。

  • 子どものころ、本当の両親が別にいて、しかも双子の兄がいると聞いてショックを受けた。

  • 大切な思い出だったが、相手が覚えておらず思い出は思い過ごしだったかもと思った。

題材の例を用いてフィクションを考える

主人公の佐賀島翔は、自分の両親は魔界の森にすむ狼で、双子の兄とともに今も魔界にすんでいると知る。翔は自分のルーツを求めて魔界の森に行き、本当の家族が暮らしている姿を垣間見るが、現世への帰り道で魔界の主に見つかり、現世に逃げ帰ろうとする。万策尽き、魔界の主の手に落ちようとしたそのとき、実の両親が現れる。

STEP2:ストーリー・人物造形

ストーリーとは、発端・反応・結果

題材が決まったら、それをストーリーにする。ストーリーは、出来事が起きた順に、「何が、どうして、どうなったか」を書いた話の筋のこと。話の骨格、アウトライン、あらすじとも言う
「何が、どうして、どうなったか」は、「発端・反応・結果」と考えると書きやすい。きっかけとなった出来事と、それに対してどうしたか、その結果、どうなったかを書き出してみよう。

短編と長編の場合の登場人物の数

短編

短編の場合、主要人物は1~3人。10枚の短編であれば、登場人物は主人公一人だけということもある。登場人物が多すぎると話がまとまらず、主人公が立たなくなる

長編

長編の場合、主人公、敵、味方、目的の対象(恋愛ものなら恋人)などが必要で、主要人物は3~5人。これ以外は脇役、端役。主人公の目的に絡まない人物は登場させない。

ストーリーの組み立て法

発端:何がありましたか?

欲求の実現や謎の解明など、主人公が動く(動かされた)発端の出来事を書く。

反応:どうしましたか?

主人公がとった反応を書く。反応するか、巻き込まれる。無反応だと物語が動かない。

結果:どうなりましたか?

最終的にどうなったか、結末まで書く。
結末は、発端でやろうとしたことの結果

主だった性格を決めてから書こう

実体験をベースにした場合、主人公は自分となる。自分をモデルにするのであれば人物造形はしなくてもいい(すでにある)。
ただ、名前と年齢は決めよう
名前は「自分の過去を探しましょう=佐賀島翔」などのもじりにすると人物像がつかみやすくなる。
架空の主人公、副主人公の場合は、下記「登場人物のテンプレート」に人物の履歴、性格を書こう
性格は10個挙げたが、2〜3個でよい。脇役については際立った性格を一つだけ与える

人物造形の補足

将来、全くの架空の人物を登場させて長編を書く場合、人物造形をしないと、みんな顔のない無個性の人物になるか、みんな作者と同じ性格になりがち。それぞれの人物に履歴と性格を与え、かつ、同じ性格の人物がいないようにキャラ分けしよう

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※本記事は「公募ガイド2020年9月号」の記事を再掲載したものです。


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