3月21日

この日は父の命日です。
もう亡くなってから11年が経ちました。
早いなぁと思いながら、お墓参りに行ってきました。

今でも父が亡くなるまでの4日間、亡くなったときの事は忘れません。

私の父は怖い人でした。
子供の頃からバスケットボールをやっていた私の大会にはもちろんついてくるし、試合後はすぐに反省会と言う名のお説教があり、本当に嫌でした。でも怖くて逆らう事も出来ず、反抗期もなかったと思います。
その父はギャンブラーでもありました。仕事をしている姿の記憶はなく、パチンコ屋に入り浸り、借金も多額ありました。母も働いていたけど、お金はとられてたみたいです。

そんな父が嫌で嫌で仕方なくなり、私が社会人になっても生活費は全て父のパチンコ代に消えていたので、妹が高校を卒業するのを待ち、家を出る事にしました。(その時には母は逃げてました)

そんな家族バラバラの生活が数年続いてたある日、父が癌になりました。
最初は舌癌。長時間の手術をしました。
でもその数年後には、肺がんになりました。
糖尿病もあり、透析もしていたので、肺がんの診断を受けてから、手術は出来ないと言われ、抗がん剤治療を開始しました。しかし、抗がん剤の効果はなく、余命宣告をされました。亡くなる年明けの事でした。
主治医の話を聞き、妹と相談した上で父には余命を伝えませんでした。
父の性格上、伝えたらどうなるか分からなかったからです。

でも今でも余命についてはちゃんと伝えたらよかったのかなと後悔する時があります。それは父が亡くなるまでの4日間、私が病院に行く度に父が泣いていたからです。
あの怖かった父が泣いている姿を見た事がなかったから…
余命宣告を受けてからの数ヶ月で、私の中で覚悟は決めていましたが、あの涙を思い出す度に心が痛みます。

今生きていたら、孫(妹の子供)に会えたのになぁとか色々と思う事はあります。

子供の頃の色んな苦労を考えたら居ない方がとかとも思う時があるけど、もう父は居ません。

毎年、お盆と命日だけはお墓参りに行っているので、その時に父に色んな報告をしています。

決して、好きではない父だったけれど、私にとってはたった一人の父。
怖かったけど、苦労もたくさんあったけど、亡くなって11年が経ったんだなぁと思う日でした。

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