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頭の拍が分からなくてズッコケる洋楽の曲

山下達郎がFM東京で毎週日曜日午後2時から放送している「サンデーソングブック」では、2020年11月8日に「頭の拍が分からなくなる曲」という変態的な特集が組まれて、非常に興味深かった。

「頭の拍子が分からなくなる」というのはどういうことか、まずはこちらをお聴きください。

Kinks「You Really Got Me」では、最初のギターの「ジャジャジャジャ」を頭で取るとドラムが入った途端に「あれれ?」となってしまう。このギターは1小節目の1拍目ではなく、8分音符1つ前にズラした位置=ウラ拍で取らなくてはいけない。非常に有名な事例なので知っている人も多いと思う。

こんなふうに「頭が行方不明」になる曲は洋楽にも邦楽にも数多くあって、なかなか面白かったりするのである。今回は洋楽をいくつかご紹介したい。

1.Eagles / Take It Easy

頭拍の取れなくなることで有名な曲だと思う。頭のギターのコードの「ジャーン」が1小節目の半拍前から。頭拍だと思ってリズム取っていると、ドラムが入ったときにズッコケる。

2.Led Zeppelin / Rock'n'Roll

これはちょっと複雑で、最初のドラムのスネアを「頭拍」に取ると、ギターが入ったときに半拍遅れる仕掛けになっている。実は最初のスネアが「裏拍」なのである。「タツツタン」の前に8分休符が入っているようにリズムを取るとぴったし揃う。

3.Foreiner / Urgent

これも半拍ズレるやつ。フェードインしてくる感じに曲が始まるんで難易度が高い。どうやって半拍ズラして乗ったらいいのか分からないままドラムが入るので難物と言える。

4.Jimi Henrix / Fire

今度は半拍ではなく1拍ズレるパターン。最初のギターの「ジャッジャン!」を1拍目2拍目に取ると、ドラムが入ったときにズッコケる。1拍目に感じられるのは前の小節の4拍目。

5.Steely Dan / Bodhisattva

これも1拍ズレるやつ。最初のスネアが「小節の2拍目」というのが分かればズッコケない。難度が低いので分かりやすいと思う。

6.Deep Puple / Speed King

これも1拍ズレる曲。最初のスネアが前の小節の3拍目。次のギターリフが4拍目と1小節目の1拍目。分からずに聴いているとサビ(?)の「すぴーどきんぐ!」に入ったとこで「あ、1拍余ってんぞ」ということになってしまう。これも分かれば簡単。

7.Rose Royse / Car Wash

これも1拍ズレるやつ。最初のハンドクラップの「パン!」てのが1拍目ではなく2拍目。この系は分かると簡単だしノレるとちょっと楽しいと思う。

8.Doobie Brothers / Minute By Minute

これは難度高い。最初のエレピが「8分音符」に聴こえるが、実は「1拍を3つに分割して弾いている」(3連符)というもの。初めて聴く人は100%ズッコケると思う。ていうか、これどうやって合わせていたのか今でも不思議だ。

9.Toto / Hold The Line

これは最初のピアノがわざと頭拍がズレているようにアクセント付けて弾いているだけで、実際には頭拍から弾いているという高度な技。

10.Pink Floyd / Money

これを挙げるのはちょっとズルいかもしれない。なにせ曲自体が4分の7という変拍子。最初のレジスターの音は実際に録音したテープを切り貼りして作ったらしい。「ズー、チャン、バン、ダダダダ、チーン」の5拍を聴いて、そこから4拍取ると曲の頭。

#私の勝負曲

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