100文字ノワール No.58-76 2020.7.22~2020.7.28
ハードボイルドに似合うのがモダンジャズなら、ノワールに似合うのはブルースか、いっそのことパンクロックだ。長く書いてはいけない。ドカンと一発心臓に撃ち込む。一発にすべての力を込める。
ノワールは敗残者の叫び。倒された者の呻き。虫けらたちの呪詛。
今週も楽しいノワールを書きました。力いっぱい叫んでます。無意味な暴力。逃走と死。嫌悪と悪意。そんなものを書きました。
58.
二人とも死んで終わる未来が見える。一人は本物のバカで、もう一人はちょっとだけバカだ。
59.
あれからどうしてた? へー、真面目にやってたんだな。俺か? 俺は10年喰らったよ。俺たちはあの辺りから散り散りになってな。もう誰も連絡つかないんだ。ホントさ。何を警戒してんだ? 変わらねぇな、お前は。(100文字)
60.
自殺ですか、他殺ですか。捜査中? 私ですか? 昨日は何してたっけ。
61.
もたもたしてないで、さっさと逃げるべき。
62.
よくやったと褒められるかもしれない。妙に使い勝手のいい子分。
63.
二人の身体は踊るように地上10センチのところを舞った。奇妙なダンスだった。
64.
お前の腕を見込んでたんだがな。ところで、お袋さんは元気か?
65.
男は勢い余って思わず計画を漏らしそうになった。金ばかりかかる女だ。でも離れて暮らすなんてことはできない。ギリギリと歯噛みするしかなかった。
66.
更生しようとしてできなかったんだね?
67.
どっちも正しく、どっちも間違っている。
68.
クソみてぇな街がなくなって、クソみてぇな連中がいなくなったらどうなる?そんな世界にお前は生きていたいか?
69.
また会えるさ。ヨボヨボになってから会おうぜ。長生きしろよな。
70.
ちょっとしたご褒美だと思えばいい。気にせずもらっとけ。お前のだ。
71.
落ち着いて。そうそう。あなた可愛いじゃない。ちょっと気に入ったわ。
72.
73.
74.
「俺の何を?」
「そうね、狂犬だとかそういうの」
75.
死んだように生きる人間もいるし、死んだのに生きているように感じられる人間もいる。
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