やりたいことをやりたいと言える勇気
自分がやりたいこと、はっきりと確信しているわけではないけれど、こういうことをやっていきたいと思うことを、言葉にして公表するって、勇気がいる。否定されたり、呆れられたりするんじゃないかと、臆病になって、自分の中で秘めて過ごす。
「やりたいことはバンバン言っていったほうがいいよ！」
と、ツイッターでも本でも目にする。わかる。わかる。頭ではわかる。それをみてすぐ行動に移し、これをやっていきたい！やります！お仕事ください！と言える人もいるだろう。
私は、言えなかった。
やりたいことはあれこれある。一点突破できるタイプではないから、あれこれを組み合わせて重宝する人間にならねばと思った。けど、定まらないし、まだ全部が中途半端で、そしてどこかで、本当にできるのかと自分を疑っていた。
友達にも言えなかった。こっそりサカエコウ名義のアカウントを作り、誰にも言わなかった。大阪にいる友達は、私が今何をしているのか知らない。「コウちゃんは相変わらず好きなことしてフラフラ生きている」といわれているらしい。「やりたいことを探し、好きなことで稼ぎたい」という私は、大阪で堅実に家庭を築く子から見れば、"３０歳にもなって夢見る夢子ちゃん"といったところだろう。
否定しない友達の存在
今日、年の半分は仕事で海外にいる友達と会っていた。彼女は人のやりたいことを否定しない。やりたいことがあるなら登録してやってみなよ！と、数年前からランサーズを勧めてくれていた。けれどその時はできることも少なく、今よりもっと迷走していたので、登録しなかった。
今年に入りいろいろなご縁があって、ディスプレイを考えさせてもらったり、ストーリーを考えたり、PR文を作ったり。すこ〜しづつ経験を積む機会に恵まれた。小さな小さな成功体験が、やりたいことをより色づけしてくれた。
「あ、そう言えばランサーズを始めたよ」
と単なるちょっとした報告として、ぽろっと口にした。
すると、「私も登録してるよ！発注する側で！プロジェクトのロゴとかチラシとかをランサーズで発注しててね〜」と話してくれた。
「え！私これからロゴのコンペに提案しようと思ってるよ！」
とつい話してしまった。言うつもりじゃなかったのに…。というのも、前に彼女と話していた時に、私がやりたいと話していたこととは違ったから。自分でも、いい歳してやりたいことがたくさんあってフラフラしてんなぁと思っているので、なんとなく言い出しづらかったのだ。呆れられるかな…と不安になって話題を変えようとしたら、意外な答えが返ってきた。
「アカウント教えてよ！お願いするときランサーズでコウちゃんに発注するから！友達に頼むほうが安心だしやりやすいから助かる！」
"あ、やりたいことは口に出したほうがいいってまさにこういうことか"
と、体感した。公表したほうがいいと頭でわかっていても動けない状態って、自信のなさから不安に邪魔されて、わかっていながら疑っているんだ。"いい歳して"とか、"あれもこれもで中途半端"とか"いや、経験少ない人になんか頼まねぇよ"とか、もちろんそう思う人もいるだろうけれど、誰かに言われたわけでもない。自分が作り出した、幻だ。
今日、もし友達が「また違うことすんの？」とか「一つに絞りなよ」とか言おうもんなら、私は心を閉ざしていたかもしれない。もう話すもんか！と思ったかもしれないし、仕事の話はしなくなったかもしれない。
私は運だけはやたらいい。これは唯一自慢できることだ。いい友達に恵まれている。見えない道を進む勇気をくれる。
「社内のコンペに通って、展示会のプロジェクトを正式にできるようになったら、空間デザインをやってほしい！」とも言ってくれた。あれもこれもの自分を、受け止めて勇気付けてくれる。ありがたいなぁ。ありがたいよ。
宣言することは、不退転の覚悟を持つこと。
本当は口にするのは怖い。公表するのは怖い。けど、言わなきゃ誰もわからない。あ、そんなことやりたかったんだって、知ってもらわなきゃ、なにも始まりはしない。
商品等のディスプレイ・コンセプトストーリー・商品や企業などのPR文・サイトのバナー・仕事を伝えること(自分が"職業"について知識が薄かったので、知るきっかけを作るお手伝いをしたい）など。これ！って決めてるわけじゃない。誰かが大事にしている想いや、好きで好きでやっていることを、熱意ある人の仕事を、届けたい人に届けるお手伝いをしたい。
今はなりたい仕事を選ぶ時代じゃない。仕事を作れると信じてる。いや、信じたいのかな。言葉とイメージ(写真や画像)と空間を武器に、生きていける人になりたい。甘いって言う人も多いと思うけれど、やってみないとわからないし、できなきゃできないで何か学べると思うから、３０歳でもチャレンジし続けたい。転職するには未経験ではちょっと不利なお年頃。この歳からでも育ててくれる環境は、かなり貴重だと思う。20代のうちに見つけられていたらなぁなんて思ってもたらればでは生きていけない。
やりたいことを言えなかったのは、覚悟がなかったからだ。本当はわかっていたけど、覚悟がないって認めるのが怖かったんだ。自分の価値の低さが表れるようで。言ってみたら楽になった。腹くくって頑張るしかないか！って思えた。そして、なんとかなるって思えた。根拠なんかなくても、なんとかするって気持ちがあれば、なんとでもなると思う。
最後に、私の好きなセリフを。
「自分の可能性を信じなきゃなにも始まらないよ。なんとかなる」小泉ジョージ /「どんな成功者も、最初はみんな身の程知らずだったと思うわ」イザベラ---------------------Paradise Kiss/矢沢あい
今日も私は自分と向き合い、たどたどしくも、言葉を紡ぐ。
その先にある何かを信じて。
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