人ってあったかい。
あなたは普段買い物をするお店のスタッフで、思い入れのある人はいるだろうか。顔と名前を覚えていたり、仲良く話したり。
幼馴染が「地震で不安な中、あったかい気持ちになった出来事があった」と教えてくれた。
お店に電話がかかってきて、「商品のこととかではないんですけど…」と前置きされ、「ん??」と思っていたら、「大阪に行く時によく寄らせてもらってて…スタッフの皆さんは大丈夫でしたか?」と。
「全員無事です!大丈夫です!」と伝えると、「良かった〜」と安堵する声が。なんだか泣きそうになった、と。
彼女は販売の仕事をしている。地震の後、心配したお客様が連絡してきてくれたそうだ。その方が誰かはわからずじまいだったそうだが、また地震が来るかもしれない…と不安な中、とても励まされたと。
販売の仕事をしていると、そういった素敵なお客様に心を救われることがある。
数年前、私は梅田で店長として働いていた。その後、新宿店に異動になり、慣れない東京で、年の離れた新人ばかりの店舗でもがきながらがむしゃらな日々を送っていた。店長業務に追われ、バックヤードにこもってパソコンと数字とにらめっこの日々。お客様に接する機会も減り、頭を悩ませる毎日。そんなある日、フロアから聞き慣れた京都弁が聞こえてきた。
大阪から来はった店長さんが確かいてはると思うんですけど…今日はいてはります?
まさか…と思った。
慌ててバックヤードから出ると、梅田店時代によく来てくださっていたお客様だった。異動になる前、新宿店に異動になることを伝えていたので、わざわざ調べて来てくださったのだ。大きな荷物を抱え、はるばる訪ねて来てくださったことに感激した。販売員としてはあるまじきことだが、フロアで泣いてしまった。その方もつられて涙し、まさか東京でお会いできるなんて…と二人で泣きながら笑ったことを、今でもはっきり覚えている。
これは私が販売員時代に一番心に残っている嬉しかった出来事だ。
今回の友達の話や、自分の思い出を思い返し、世の中つらいニュースややるせないニュースもあるけれど、人の繋がりって暖かいものだよなぁと思ったのであった。
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サポートとても嬉しいです。凹んだ時や、人の幸せを素直に喜べない”ひねくれ期”に、心を丸くしてくれるようなものにあてさせていただきます。先日、ティラミスと珈琲を頂きました。なんだか少し、心が優しくなれた気がします。