30年後の私へ、平成の終わりはこんな日だったよ。
私は昭和の終わり頃に生まれたので、平成に変わる時のことは記憶にない。平成の終わりと比較するように報道される昭和の終わりに、ちっとも懐かしさはない。けれども確かに、時代は変わっていったのだ。
もしかしたら生きているうちに、もう1回改元号を体験するかもしれない。その時に「あぁ、平成の終わりはこうだったなぁ」と思い出せるように、平成の終わりの日のことを少しだけ残しておきたい。
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「平成最後の◯◯」が溢れたこの1年。ついに、最後の日がきてしまった。2019年4月30日。天皇陛下退位の日。私個人はこれといって特に何もない日なのに、なんだか年越しのようなそわそわ感があった。1999年から2000年を迎えるときに似ている、そわそわ感。
テレビでは平成を振り返る番組や天皇陛下のこれまでを振り返る番組が放送され、陛下の最後のお言葉に注目が集まる。昭和の終わりの時を見るたびに、陛下の生前退位のご決断は素晴らしいものだなとしみじみ噛み締めていた。
夕方5時頃、「退位礼正殿の儀」がテレビで生中継されていた。
安倍総理が国民代表の辞を述べ、それを受けて陛下が最後の言葉を述べられる。短くもずっしりと感慨深いものだった。最後の一礼に至るまで。
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そんな平成の終わりを、1人、東京で過ごしていた。ダイエットのため野菜スープばかり食べているからか体調が優れなくて、予定をキャンセルして家で様子を見ていた。友達の誕生日プレゼントを買いに行きたかったけど、それもちょっと保留。
テレビを見て、うたた寝して、ツイッターを見て、うたた寝して。そんなダラダラしたなんとも残念な雨の平成最後の日。
平成最後の晩餐はモリモリ野菜スープと鶏胸肉のステーキ。
newsZEROでは、令和へのカウントダウン。
特別な日のようで、普段の延長の日。
なんとも言えない不思議な気分。
平成最後だから好きな人に連絡したくなるけれど、なんて送っていいかわからずずっともぞもぞして、なんて事ない言葉しか出てこなくて、結局一言二言だけ交わして終了。平成最後の夜を好きな人と一緒に過ごしたかったなんて、乙女なことを考えたりなんかして。
たぶん、平成最後だろうと令和だろうとそんなに変わりはしなくて、自分の心の中でよしっ!と気合を入れるだけなんだろうと思う。新しい年を迎える大晦日と同じようなものなのかもしれない。
でもこのそわそわ感、嫌いじゃないよ。
できれば令和の終わりはもうちょっとわかりやすい幸せな日を過ごせたらいいなと思いながら、平成を静かに締めくくろうと思います。
令和の時代も平和で暖かな日々を過ごせますように。