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誰にも言えないことをどんどん話し続けたあげく、友達がいなくなった。
本来わたしは、誰かから聞いた話を他の人に軽々と話す性格ではなかった。だから、自分が知った様々なことを脳味噌にため込んでいたのだろう。
病気がわたしの理性を吹っ飛ばした結果、言ってはいけないことを言い続けた。結果、友達がいなくなった。ということがあとからわかった。
一番大切にしていたものを
悪夢の躁状態が去って、うつになる手前でしばらく漂っていたわたしは、二週間の躁状態が原因でいろいろな問題を起こしていたことを知る。
中でも悲しかったのが、一番仲が良くて、信頼していたUさんとの関係が壊れたことだった。
ある日わたしは、Uさんに電話をして、今までのつき合いの中で思ったUさんへの不満を事細かく話したらしい。一体何を言ったのかは30年経った今でもUさんは決して教えてくれない。
教えてくれない感じから想像すると、本当にひどいことを言ったのだと思う。
だからUさんはわたしが電話でいろいろと話した後で、
「貸したものを全部返してくださいっ!!」と怒鳴り込んできたのだ。
本やレコードのようなものだけではなく、洋服もUさんから借りていた。これはUさんが、自分は着ないから着てくれると嬉しいと言って、わたしにくれたものだ。
確かに洋服はもらったはずだった。でもUさんは怒りながら全部返せと母に命令して、Uさんが洋服を入れて渡してくれたマジソンバッグにすべて詰め込んで持って帰った。
母が病気のせいだからと言っても全く信じてもらえなかったという。
電話魔になって
他にも電話をしていた。
一番考えられないのはYさんという人に電話をしていたことだ。
なぜかというと、わたしはYさんの電話番号を知らなかったからだ。
電話番号を知らないのにどうやって電話出来たのか。
これも30年くらい経つが未だに謎のままだ。
当時、わたしはアルバイト先で一緒に働いていたSさんという年上の男性のことが好きだった。でも好きだからつきあいたいと思うようなことはなかった。
理由はわからないけれど、誰かのことを好きになってもつきあうということにはまっすぐには繋がらないところがわたしにはあった。
でもある出来事があって、わたしはSさんに告白をした。もう二度と会えなくなるので、自分の気持ちを伝えたかったのだ。
するとSさんが妙なことを言い出した。
自分はYさんのことが好きだったのだ、と。
ん?なぜここでYさんの話になるのかわたしにはわからない。しかしSさんはYさんのことを話し続けるので聞いていた。
SさんはYさんが好きでYさんはSさんが好きで
話を聞いているうちに訳が分からなくなる。つまり二人は相思相愛なのだ。だったらいいじゃないか、という話ではない。
なにしろYさんは結婚しているのだから。
でも話を聞いていると、お互いが好きでありながら、ある日突然Yさんが別の男性と婚約したらしい。はぁ。なぜかはわたしにもわからなかった。
わからないけれど、Sさんはある日上司に呼ばれたらしい。
YさんはSさんの上司の上司にあたる人の姪っ子だった。
上司の姪であるYさんが婚約をしたことは君も知っているだろう?君はYさんとは仲がいいと若い者から聞いたんだが、婚約したYさんに手を出したりしたらわたしの顔が丸つぶれだから頼むよ。
Sさんはこんなことを言われたと言う。わたしには意味がわからない。
当時のわたしは本当に子どもだった。本当に理解出来なかった。
一番理解出来ないのは、なぜわたしがこの話を今、Sさんから聞いているのかということだが、理解できないことだらけなので質問も出来ない。
とにかくSさんはYさんが今も好きだから、わたしのことは好きじゃないということか、となんとなく思った。別にSさんがわたしのことをどう思っているかはわたしにとっては問題ではなかった。
ただ自分の気持ちを告げて、Sさんの視界から消えるというのが、わたしの望みだった。黙って視界から消えるのはなんとなく悲しすぎたのだ。
どうして視界から消えるのかと聞かれたので、わたしはバカ正直に理由を答えた。
合意があったのかなかったのか
決して言ってはいけないことだったということが、今のわたしにはわかる。でも当時のわたしは子どもだった上に、自分が女であることをあまり理解していなかった。
Dさんという社員さんにわたしはある種の性被害に遭ったのだけれど、わたしが悪いと思った。わたしがちゃんとしていないからだと思っていた。
だからもうDさんには会いたくないから、アルバイトも辞めるつもりだった。Sさんならわかってくれるような気もした。
でも話を聞いたSさんは、アルバイトを辞める必要はどこにもないと言った。よくある話だと言った。Dさんは気にしていないよと言った。
好きだったSさんに言われて、わたしの考えすぎなのだろうかと思った。
この時、SさんはわたしとDさんとの間にはきちんと合意があったと判断していた。というか、思い込まれていた。わたしは性的に乱れた人間だと思われていたらしい。
これを書いていたら、今、自分で書いた文章にショックを受けてしまった。
話が中途半端だけれど、とりあえずここでこの話を中断して寝ることにする。正確には寝る前のお薬を早く飲みたい気持ちになっている。
この文章は書いてはいるものの、公開するのだろうか。はてさて。
ちょっと話がややこしいですが、
一応、
【シリーズ:坂道を上ると次も坂道だった】でした。
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