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乗り物の話。2021.01.14

それは、とても寒い日でした。
今でも鮮明に覚えているその日は、何の偶然か、9年前の1月14日の出来事です。

私は、埼玉県の大宮の駅ビルで、友人と買い物を楽しんでいました。
グリーンカレーランチを食べて、ジャスミンライスの美味しさに感動し、演奏会で着るためのドレスを試着して、購入した帰り道でした。

来た時と同じように、電車に乗ろうと思ったら「大雪のため、運転の再開を見合わせています」

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

やばい。

と思いました。

何故なら、私はその次の日が『大学卒業制作作品』の提出締め切り日だったからです。

私は作曲専攻だったのですが、まだ曲のラスト2ページが仕上がっておらず、残りを考える時間とパソコンで入力する時間と、清書することを考えると、絶対に今日の夕方には家に帰っていなくてはならなかったのです。

締め切りに間に合わなければ『留年』。

どうにかして帰らねば!と、唯一動いていた、新幹線に乗ることを決めました。走って走って、発車時刻ギリギリに新幹線に飛び乗る。

なんとか乗れて、ほっと一安心。
「地元近くの駅に帰れれば、なんとか父に迎えに来てもらえる。」

最寄り駅が近づいてきました。
よかった、なんとかなった!

ですが新幹線は減速しません。

ん???

なんと最寄り駅に停車することなく、通過しました。

あ、もしかして、次の駅で止まるのかな?
そこはちょっと遠いけど、父に謝って迎えに来てもらおう!

大丈夫、間に合う。
帰るのが少し遅くなるけど、今日中に帰れれば。

そわそわしながら、次の駅を待ちました。

ところがどっこい。

そこも通過しました。


ええええええええええええええ!!!!!!!!

車窓から外を見ると、どんどん雪が増えていく。
どんどん薄暗くなって夜が近づいてくる。

不安になって乗務員さんに次の駅はどこに停まるのかを聞きました。

なんとKOUは


宮城県仙台駅までノンストップの新幹線に飛び乗っていたのです。

友人と一緒に青ざめました。
「下手したら、帰れなくなるかも!!!」

宮城に着くのが21時30分。
最終の上り新幹線に乗り換えて、栃木まで戻ってきても23時。
そこから茨城に帰ると確実に0時を回ります。

青ざめて、父に電話して
「間違えちったのか」と笑われ

夜中に1時間近くかけて栃木まで迎えに来てもらいました。

そしてKOUは寝ずに作品を作り
それでも終わらなくて、次の日もパソコンに楽譜を入力しながら

大学まで父に車で送ってもらい(普段は自分で運転して通学していました)

学校に着くまで、締め切り時間滑り込みで作品を提出しました。
その後はどうやって家に帰ったのか、覚えていないくらい寝倒しました。

無事留年を免れて、次の年からは晴れて学校の先生をやりました。
こんな人がよく遠足や修学旅行の引率できたよなぁ、と今でも思います(笑)


で。
なんでKOUがこんな大きな失敗をしたのかって
『よく目的地を確かめていなかっただけ』

なんですよね。

あの時、少しでも冷静に考えることができたのなら、
きっと大雪、というトラブルの中でも
もっと早く家に帰ることができたはずなんです。


よく、人生は旅に例えられるのですが
その中においての仕事を例えるとするならば

この『乗り物』に当たるんです。

乗り物には必ず行き先があって、
それは目指すべき目的地にしっかり向かっているのかどうか
確かめないといけません。

なのに、なぜか『仕事』になると

「周りが就活するから、就職して」
「学生の時はそんなつもり毛頭無かったのに、いつの間にかサラリーマンになっていた」

そんな風に、周りが乗っている乗り物に
『なんとなく』で自分も乗車してしまっている人が
結構多いんです。

これだと、自分の人生という長い旅の目的地を進む上で

適切な乗り物に乗れているか
きちんと目的地に向かえているかどうかも分からないままですよね。


目的地にたどり着くまでに大きな遠回りをすることになったり、
その乗り物に乗ったせいで全く別の目的地に運ばれてしまうことも
往々にして起こりえます。
(KOUの新幹線の話。のように)

自分の人生という長い旅の目的地はどこなのか。

そこにたどり着くために、最適な乗り物は何なのか。

自分の人生の乗り物は自分で選んでいきたいですね。

今日もお疲れ様でした。謝謝~!

KOU

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