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4年前の今日

布団の中で目が覚めて、ぼやけた視界で壁掛け時計の針の位置とらえる。とらえた像を頭の中でピントを合わせていく。11時25分くらい。まさか、、と思う気持ちと、でも寝たの2時過ぎだったしあり得るか、という気持ちが湧いてくるけれど、あと5分と思って布団の中にくるまる。

眠る前は空腹で、朝起きるとその空腹が治まっているのはどうしてだろうと原理はわかっているのだけれど、不思議でたまらない。夜中は、よっぽどなにか食べようか、と考えてしまうほどに空腹になるのに、朝起きるととてもじゃないけれど朝ご飯なんか食べられる状態ではないと感じる。でもしばらくするとお腹は減る。その時間間隔。

カーテンを開けると晴れていて、昼で、時計を何度見ても12時だった。一瞬、午前中を無駄にしたという後悔がよぎるけれど、何千回と感じたことのあるその感情を湧いた先から切り捨てる技術も身につけていることに少しの自己満足を覚える。些細なことに左右されない、これが大人というものか、と意味のわからないことを考えながらお湯を沸かす。

夜の予定まで時間はあるしな、珈琲を飲みながら思う。夜中まで読んでいた本の続きを読もうか、せっかく出かけるのだから早めに行って、街をぶらぶらしたほうが健康的なのではないか、気も晴れるしそうしたほうがいいんじゃないか、晴れてるし。という気持ちの葛藤を抱えながらぼうっとする時間。寒いから暖房をつけて、徐々に増していく空腹感を持て余しながら部屋で過ごす。

ふと思う。4年前の今日なにしてたっけ。

4年前だから、と出来事から記憶を遡っていく。だいたいこういうことがあった年だ、2021年は。思い出すけれど、4年前の今日、何をしていたのかなんてまったくわからない。思い出せたらいいのだろうけれど、別に思い出せなくてもいいやと思えた日。

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