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サナトリック・ウェーブ新曲の感想(考察?)ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ
前書き
まずは、今回の新曲で思うところ。
今までの名取の楽曲は考察要素を含んだストーリー性の高い楽曲と、名取さなという女の子やせんせえとの関係性をテーマにした、ある意味キャラソンのような曲が多かったと思います。
それが少し変わったと思うのはやはり、2023年のばくたん ハローマイバースデーから。そこで名取の物語は一つの区切りを迎え新たな始まりを迎えました。
そして、今回のライブで発表した新曲は今までとは大きく違った色を覗かせています。
歌による表現について
今回の楽曲は名取が大手を振って言いにくいことを歌詞と歌に込めたんだと考えています。
普段、思っているんだけど普通に言ってしまうともしかしたら言葉尻を捉えられて悪いように捉えられちゃうようなことってあると思います。
普段Xや配信で言うのも少しはばかられる、心の中に秘めているもの。
でも、歌ならば。歌という形ならば外に堂々と表現することが出来ちゃいます。
歌った内容を逆手にとって、あなたこんなこと歌ってたじゃん!?なんて言う人は基本的にいません。
途中で遮られることもありません。
極端な話、アンチに対する思いを外に出すことも出来ちゃうのかも知れません。
なので、このライブで発表された2曲に関しては考察要素やストーリー性はあまりないと考えています。
等身大の名取が普段感じたことやこれからのことを歌で表現していると思うのです。
その中には普段言いにくいことも盛り込まれているでしょう。
それに、自分の気持ちをストレートに吐き出すって凄くロックだなと思いますので。
ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ。
サナトリック・ウェーブ一つ目の新曲です。
作詞作曲編曲はばくたんのオープニングでお世話になっている鹿あるくさん
この曲は名取から、名取の中の劣等感などの負の感情を歌い上げた曲と聞いています。
名取はこの曲について、負の感情を歌い上げたと同時に、それでも前を向いていきたい、やっていくぞ!という強い気持ちを込めて歌っていると言っていました。
人の心の内について描いた曲についてあんまり深く考察するのも野暮かも知れませんが、自身が受け取ったと思うものの一部を表すことが出来ればと思います。
歌と歌詞から感じる情景
この曲は、はっきりとした情景が見に浮かぶ曲です。その景色をイメージしながら、世界を追っていきたいと思います。
最初はしっとりと、自問自答しているように語り出します。
描いていた。 ずっと見えないままだった。
歌っていた。小さな狭い箱庭。
歩いていた。 とっても寒い夜だった。
揺らいでいた。 うっすら白い空は心奪ったんだ。
深く息を吐き出した。
名取は名取の思う世界を描きますが、それはこれと言った形があるものではありません。
どうなっていくのか分からない不明瞭な未来を見えないまま手探りで描いていきます。
その世界をさなちゃんねる王国という箱庭で、歌というかたちで伝えていきます。
名取は、自分が理想とする世界を目指してみんなに伝えようとしますが、
人に物事を伝えるというのは本当に難しいことです。
時には伝える内容を躊躇うこともありますし
時には曲解されてしまったりすることもあります。
それは周りに相談することが難しい名取一人の奮闘です。
時には周りと比べてしまうこともあるでしょう。
思い通りに行かないことに悩み劣等感に苛まれることもあるのかもしれません。
孤独でとても寒い夜、白い空に想い耽り、その思いは揺らぎ、深いため息をつきます。
ただ悔しくて、寂しくて、もどかしい日々を味わうよ。
この苦しみと、 悲しみの根拠なんかさ。
知らないけど、 あの嬉しさも、楽しさも、 幸せも、かけがえはないから。 世界にひとつの存在を信じている。 わかってあげる、わかってあげる。
ずっと歩き続ける、この愛と。
悔しくて、寂しくて、もどかしい日々の中
苦しみや悲しさを感じることもありますが、
その中には確かにかけがえのない嬉しさも、楽しさも、 幸せもあります。
求めているものは必ずある、名取を取り巻く世界を分かってあげられると信じて目指す世界を胸に抱き歩み続けます。
そうだった。
結局、一人きりだった。
そうだった。 空虚な問いかけだった。
とっくに気付いていた。嗚呼!
どれだけ後悔しても
たまには失敗しても
大事な宝物 見捨てないで。
でも名取も実は最初から分かっていたのです。
先が見えない世界を描き続ける為には自分自身でどうにかするしか無いことは。
どれだけ後悔しても失敗しても大事な宝物は抱えたまま進んでいきます。
どれだけ疲れても とにかく真剣だけど
届かない感情はもう諦めようかな。
どれだけ疲れていても真摯に真剣に歩み続けますが、
一方でどれだけ頑張っても届かない感情はあるのかも知れません。
時には諦めようかなと思い悩むことだってあるでしょう。
誰にでも真意を伝えられるわけではないかも知れませんし、曲解した形で受け取ってしまう人もいるのかも知れません。
ただ温もりと、まどろみと、 優しさに、この身を委ねた。
あの憎しみと、 強がりの真意なんかは、 言えないかな。
それでも名取を取り巻く世界は冷たいものばかりではありません。そこには確かに温もりやまどろみ、やさしさもあるのです。
伝えられない、届かない感情は憎しみや強がりに変わっていきますがそれは名取を取り巻く世界に吐き出すわけにはいきません。
なぜなら、それは名取が描く世界には似合わないもの。
抱えて、自分の身に秘めていくしかないのです。
この苦しみも、悲しみも、 虚しさも、かけがえはないから。
私が解き放つ輝きと光はきっと、 ずっと、失ったりしないから。
その愛を頂戴よ。この愛と生きる。
なにより、自分の中に秘めた、苦しみも、悲しさも、虚しさもこの世界を紡ぎ出す為にはかけがえのないものなのです。
それはとても苦しいものですが、名取が紡ぎ出し解き放つ輝きと光はそれ以上の輝き。ずっと抱えて生きていくと誓った大事な大事な愛なのです。
情景から感じる思い
さて、この曲が描き出す情景について考えてきました。
とても美しい世界が、深い感情のこもった歌で描き出されます。
前半はしんしんと冷え込む夜にいるような感覚すら覚える中、吐き出される思いに圧倒され、後半は張り裂けるように力強く叩き付けられる感情に圧倒されました。
名取は歌という形で自分の想う世界を紡いでいくことの苦しみとそれでも得られる大切な物を教えてくれています。
名取が自分の中の苦しみなどの心の内をさらけ出すことは今までにあまりなかったことです。
その上で輝きと光は永遠だから愛を頂戴よと愛とともに生きていくと宣言しています。
さなちゃんねる王国とせんせえを抱えてこれからも歩み続けていくと力強く宣言しているのです。
…そしてこれはいつも不安がる私たちに名取が何かあるたびに宣言してくれていることでもあります。
名取はライブでも言っていました。
名取の音楽活動はこのライブが終着点ではなくこれからもずっと続いていくんだって
いつも力強く宣言してくれる名取に甘えず、自身も丁寧を心がけて生きていきたいと強く感じました。
曲名が持つ意味
さて、最後になりますが曲名についても思いを馳せたいと思います。
「ノーゲスト、イン、ザ、テアトロ。」
直訳すると「観客のいない劇場」
この曲名に込められた意味とは何でしょうか
いくつか考えられます。
一つ目は「名取が挑む孤独な戦い」のこと。
さなちゃんねる王国を含む名取が描き出す世界は名取自身が自分自身で描き出すもの。そういう意味で「ゲスト」つまり観客がいない孤独な戦いを表している。
この解釈も恐らく間違いではないのではないかと思います。しかしそれだと曲名はこの曲全体の半分の意味しか持っていないのではないかと感じます。実は他にも意味があるのではないでしょうか。
曲名に表向きとは別の意味を同時に持たせている。
そう考えます。
そしてもう一つの意味、それは「ノーゲスト」。つまり名取を思い描く世界という劇場において我々は観客ではないという意味とも取れるのではないでしょうか。
私が解き放つ輝きと光はきっと、 ずっと、失ったりしないから。
その愛を頂戴よ。この愛と生きる。
名取が紡ぎ出す世界は名取がいなければ紡ぎ出すことは出来ないと同時に、せんせえがたの愛がなければ成立し得ない世界でもあります。
名取の思い描く世界とは名取の存在だけで成立するわけではなく、
丁寧なせんせえがたの温もりとまどろみ、 優しさもその世界の一部。
そういう意味で我々はある意味、名取が描く世界を構成する要素の一つでもあります。
我々が丁寧なインターネット生活を心がけなければ容易に崩壊する可能性すらあり得るのではないか。そう思います。
名前に推しマークを付ければそれを見る人は自分たちの行動の奥に大あれ小あれ推しの存在を感じます。
もしも名前に推しマークを付けた上で丁寧でない他者をけなすようなことをしてしまえばその界隈そのもの、ある意味名取の思い描く世界そのものが傷つけられるのです。
そういう意味では我々は観客でもあるが同時に演者でもあると言えるのです。
この居心地が良い世界は名取が作り出してくれているものであると同時に私たちが丁寧で無いと維持していくことは出来ないでしょう。
その愛を頂戴よ。この愛と生きる。
端役ですが、さなちゃんねる王国の劇場の一員として
この言葉に恥じないよう丁寧な生活を心がけたいと思います。