チャップリンっぽい将軍様 (TAXI ミニドラマ 3)
大阪の繁華街のひとつ、ミナミからのご乗車。
いやでも目立つ風貌の男性でした。
えっ?チャップリン?
山高帽に黒のジャケット、ダブついたズボンにステッキ。
チャップリンそのままの衣装に身を包んだ男性が控えめに手を上げた。
ちょび髭はなくガニ股でもないが、とても目立つ。芸人さんかな?
車を走らせながら聞いてみた。
「その服装、お仕事かイベントですか?」
その人はおっとりとした口調で答えた。
「いえ、普段からプライベートはだいだいこの格好です。仕事の時はスーツでございます」
まさかの普段着!
繁華街へ行く時だけでなく、家の近所でもこの格好で出かけているとのこと。
なかなかの個性派、天晴れ!
それにしても、なんだか聞いたことのある声としゃべり方・・あ、そうや!一休さんの将軍様やん!
将軍様「飲みに行ったらすぐに女の子に覚えてもらえますね。ほほほ」
そりゃそうだ。この姿を忘れようとしても思い出せないのは鳳啓助とバカボンのパパくらいだろう。
将軍様「勝手に撮影されてYouTubeに上げられているんですよ。ほほほ」
つかみどころのない感じもあるが、どこか品がある。テイスト・オブ・公家。
いろんな人が行き交うミナミでもひときわ目立つスタイルが、この穏やかな青年にとても似合っている気がした。
自分の個性を貫く・・とういような力みや主張もなく、自然体だった。
そういう人がいい。
そういう空気がいい。
ご乗車、ありがとうございました!
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