2021-22 欧州リーグ考察 #5 〜UCLグループE編〜
みなさん、こんにちは
コチャTVです。
欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAチャンピオンズリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループEを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。
UEFAチャンピオンズリーグ2021-22のグループ分け
(Goal.comより引用)
この画像はUCL2021-22のグループ分けです。
グループE
グループEは以下の4チームです。
バイエルンミュンヘン(ドイツ/ブンデス1位)
バルセロナ(スペイン/ラ・リーガ3位)
ベンフィカ(ポルトガル/プリメーラ3位)
ディナモ・キエフ(ウクライナ/ウクライナ・プレミアリーグ1位)
①バイエルンミュンヘン
バイエルンミュンヘンです。
現在国内リーグは9連覇を達成しており、ドイツの絶対王者となっています。しかし、在籍期間常に優勝をしていたハンジ・フリック監督がヨアヒム・レーヴ監督の後任としてドイツ代表の監督に就任しました。
その結果、近年急速に力をつけてきており、UCL出場権争いのみらなず、バイエルンとの優勝争いにも継続的に絡んできていたライプツィヒから「若い戦術家」ユリアン・ナーゲルスマン監督を招聘しました。
ナーゲルスマン監督は現在、34歳ですが監督としてのキャリアは豊富です。ホッフェンハイムで3シーズン、ライプツィヒで2シーズンと34歳でありながら、すでにドイツトップリーグで5年間の指揮経験があります。
ホッフェンハイム時代にはドローンを完備させ、選手の動きを分析しようとした経験があります。(実際は、ドローンの音がうるさくて断念したそうですが…)このように、サッカーの分野であまり使用されていないような斬新な手法で戦術分析を行ったりします。
戦術的な知見が深いナーゲルスマンには、レアル・マドリードが監督招聘をねらっていたという噂もありました。そんな、世界的にも評価のたかい若き天才監督の手腕には注目です!
また、ナーゲルスマンはライプツィヒから2人の教え子を獲得しました。ウパメカノ選手とサビツァー選手です。2人ともライプツィヒで主力の選手でした。
現時点で、ウパメカノ選手はレギュラーを獲得しましたが、サビツァー選手はレギュラー獲得には至っていません。しかし、「戦術家」ナーゲルスマンのサッカーを体現するためには、彼のサッカーを知っている存在は貴重です。全てが、順風満帆には行かないとは思いますが、チームが行き詰まった時に戦術を知っている教え子2人の力が必要になる時が来るかもしれません。
一方、放出に目を向けると守備陣の放出が目立ちます。
長年、主力として活躍したダビド・アラバ、ハビ・マルティネス、ボアテングという3選手が退団しました。そして、みんな契約満了で従うフリーでの移籍です。移籍金を獲得できなかったのはマイナスなのかもしれませんが、これまでの貢献度を考えると移籍金以上の価値をチームにもたらしてくれたことは間違いありません。
バイエルンが目指すのは国内リーグの10連覇、V10です。また、これだけの戦力を有していると同時にヨーロッパタイトルも狙いに行くことが予想されます。ベテラン3人の退団、若手の補強という方針で若返りを図った新星バイエルンがヨーロッパの舞台でどのようなパフォーマンスを魅せるかは注目です。
②バルセロナ
バルセロナです。
昨年度、「のび太」の愛称でも呼ばれたバルベルデ会長が辞任し、新たにラポルト会長が就任しました。また、計画なき経営によって、最悪な財政状況になっていました。
スペインにはサラリーキャップ制が敷かれているので、メッシ選手のような高給選手の退団、ジョルディアルバ選手やセルジロベルト選手にも大幅な減給を余儀なくされました。そのようなことをして、ギリギリ、アグエロ選手などの新加入選手が登録できました。
また、メッシの退団会見は、涙ながらのものでした。ラ・マシアから長年過ごした「家」を退団すること、そして退団の原因がクラブの放任経営であったことからショックは大きかったです。
メッシが退団し、大幅な補強ができない状況の中鍵を握るのはぺドリ選手だと思います。彼は、カンテラ育ちではなく、ラス・パルマスのアカデミー育ちです。720万€で獲得された際には、「高すぎる」や「線が細すぎる」という批判もありましたが、現在では欠かせない戦力に成長しました。
しかし、バルセロナ、U23スペイン代表、スペイン代表で並行して活動した2020年は60試合ほどに出場し、オリンピック時には顔がやつれていることが話題になりました。
彼のプレーをみて思うのは、ピッチを空間で捉える能力の高さです。イニエスタのようなスルーパスを出すこともできます。イニエスタやチャビのようなクラブのアイコンが退団した今、カンテラ育ちではありませんが、新星バルセロナのアイコンになりうる選手だと思います。
「戦術メッシ」だったバルセロナにとって、今年はおおきな転換期だと思います。デパイがウイングにハマっていますが、メッシがいない新しいバルセロナにどのような得点パターンが生まれるのが注目したいところです。
また、監督のロベルトクーマン監督には多くの批判の声が上がっています。お金がなく、契約解除金もはらう余力がなくひとまずは続投となりましたが、いつまでクーマン政権が続くかは疑問です。
今年は我慢の年になると思いますし、ラ・リーガ奪還とUCLの両立は至難の業だと思います。しかし、今シーズンが来シーズン以降飛躍するためのきっかけになればいいなと思います。
③ベンフィカ
ベンフィカです。
ポルトガルではポルトやスポルティングと並ぶ3強の一角を形成しています。そんな、ベンフィカには日本にゆかりのある選手が2名所属しています/いました。
1人目です。昨シーズン途中まで在籍していたカイオ選手は千葉国際高校に留学した際に来日し、鹿島アントラーズでプロ入りしました。ブラジル人らしい独特のリズムのドリブルでサイドを翻弄していました。一時は、日本に帰化して日本代表になるという噂が流れるほど、日本を愛し、鹿島ファンから愛されていましたが、2016年夏の移籍市場でUAEの強豪、アル・アインへ移籍しました。
その後、ベンフィカを経て2021年冬からはUAEのアル・シャールジャへ移籍し所属しています。
2人目は、小久保玲央ブライアン選手です。
千葉県生まれの小久保選手は柏レイソルU18に所属していました。当時から、年代別の日本代表などでもあった彼ですが、国際大会での活躍により注目を集めベンフィカU19へ移籍することになりました。
現在も、パリオリンピックを目指す年代別日本代表にも選出されており、将来は日本代表での活躍も予想されます。
ベンフィカU23がU23のUCLに出場した際、正ゴールキーパーとして出場して決勝のレアル・マドリード戦でもゴールマウスを守りました。
ちなみに、パリオリンピックを目指す日本代表のゴールキーパーは、小久保選手と浦和レッズの鈴木彩艶選手、いわてグルージャ盛岡(本所属はFC東京)の野澤大志ブランドン選手が継続的に選出されており、オリンピックではハーフゴールキーパー2人なんてこともあるかもしれませんね!
さて、ベンフィカの補強に目を向けると、個人的にはスポルティング(所属元はインテルだった)から加入したジョアン・マリオ選手とEURO2020でも活躍したウクライナ代表、ヤレムチュク選手に注目です。
ジョアン・マリオ選手に関しては、グループCの記事でも言及しているのでそちらも見てほしいのですが、国内のライバルチームであるスポルティングでシーズン31試合にも出場した彼は、ベンフィカにおいても主力に定着するでしょう。
昨シーズンの活躍によって、「ポルトガルリーグで活躍できる」という証明書付きの選手なので、今年はベンフィカでいぶし銀の活躍を魅せてくれることだと思います。
次に、ヤレムチュク選手です。
彼は、先日行われたEURO2020でもウクライナ代表として活躍していました。
EUROで5試合出場2ゴールと結果を残したウクライナ産フォワードは、今年のポルトガルリーグでも3試合出場2ゴール(9/17時点)と結果を残しています。
ベンフィカの新エースとして更なる活躍をすれば、ベルギーリーグ、ポルトガルリーグからの欧州4大リーグへのステップアップ移籍もあり得るかもしれませんね!
UCLでの戦いに目を向けると、従来であればバイエルン、バルセロナがいるこのグループからのノックアウトステージ進出は厳しいと言わざるを得ません。しかし、バルセロナはメッシ選手が退団し、大幅な戦力ダウンを強いられている状態なのでベンフィカにも全然チャンスはあると思います。下克上とも言えませんが、ベンフィカが下馬評を覆す躍進を魅せる可能性もあります!
④ディナモ・キエフ
ディナモ・キエフです。
ウクライナリーグでは、シャフタールドネツクとの2強という構図です。そのため、ウクライナの有望選手はこの2チームから輩出されることが多いです。
この移籍情報をみて、驚くのは完全移籍で放出した選手が全くいないことです。これはすなわち、チームに多くの選手が所属しているということの裏付けとも言えます。金銭的に多少余裕があるクラブは、格下クラブなどに多くの選手を出すことで試合経験を積ませ、うまくいけばチームの主力にさせるという方針です。
実際に、今夏の移籍市場ではセカンドチームから、12名もの選手を放出させた上で、うち12名を期限付き移籍に出しました。(つまり、全員です笑)何よりも驚くべきことは、昇格選手11名も含め、合計14名がチョルノモレツというチームに移籍しているということです。
このような移籍が起きた背景は不明ですが、同じチームでやることで「連携面」などは維持できると思いますし、仮に出場して主力に定着すれば、期限付き移籍をした選手たち=1部リーグのレベルという判断をすることもできます。
ディナモ・キエフには日本にゆかりのある選手が1人所属していました。
2019シーズンに半年間のみジュビロ磐田に在籍し、圧倒的な身体能力でゴールを量産したルクセンブルク代表のロドリゲス選手です。
期待値も高く移籍した彼ですが、なかなか主力に定着できずに期限付き移籍で放出されています。トルコのアンカラギュシュやフランスのトロワです。
今シーズンはフランス リーグ・アンのトロワへ期限付き移籍しましたが、クラブ規模ではディナモキエフの方が大きいですが、リーグレベルはフランスリーグの方が上です。つまり、トロワで活躍すれば、フランス上位クラブなどへの移籍の道が開けるかもしれません。
正直、このグループで上位2クラブにはいりノックアウトラウンドへ進出することは難しいと考えざるを得ません。しかし、ディナモ・キエフにとって1番の目標はUCLでの上位進出というよりは国内でのシャフタールとのタイトル争いに勝つことだと思います。
UCLがボーナスとは言いませんが、プライオリティが国内リーグよりも低くなってしまうことは否定できないでしょう。
まとめ
今回は、UCL2021-22のうち、グループEに関してみていきました。
クラブの知名度的には、バイエルン、バルセロナという2クラブが抜きん出てますが、バルセロナはメッシ選手の対談など不安定な要素がありまくりです。そのため、バルセロナがまさかの予選敗退となり、ベンフィカやディナモ・キエフがノックアウトステージ進出をする可能性もあると思うので注目です!
最後に
今回は、記事を見つけていただきありがとうございます。
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