2021-22 欧州リーグ考察 #9 〜UELグループA編〜
みなさん、こんにちは
コチャTVです。
欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAヨーロッパリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループAを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。
UEFAヨーロッパリーグ2021-22 グループわけ
(引用元はUEL公式サイト)
グループA
グループAは以下の4チームです。
リヨン(フランス/リーグ・アン4位)
レンジャーズ(スコットランド/スコティッシュ・プレミア1位)
スパルタ・プラハ(チェコ/フォルトゥナリーグ2位)
ブレンビー(デンマーク/スーペルリーガ1位)
①リヨン
リヨンです。
リヨンはフランスリーグ、リーグアンを過去に7回制したことある古豪です。しかし、1番最近の優勝は2007-08シーズンにまで遡ります。
2010年台のフランスリーグはPSGにカタールマネーが入り、大型補強をするようになり戦力値で他のチームとの差が大きくなってしまいました。
今年の、リヨンの移籍市場を見る上で、放出選手の中で1番大きいのはメンフィス・デパイ選手がフリー移籍でバルセロナへ移籍したことでしょう。クラブの主力であった彼ですが、およそ1年前からクラブを退団することはなんとなく想像できていました。
そのため、リヨンは昨夏にビジャレアルからカメルーン代表のエカンビ選手を獲得しました。そのため、実質的にチームに与える影響はそこまで大きくないと思います。
加入の方に目を向けると、リヴァプールから加入したスイス代表のシャキリ選手とバイエルンから加入した元ドイツ代表のボアテング選手に注目が集まります。
初めに、シャキリ選手です。
スイス代表として、今夏に行われたEURO2020にも参戦した小柄なアタッカーは、スピードやテクニックに長けている選手です。彼は、リヴァプールではマネ選手、サラー選手、フィルミーノ選手という分厚い選手層のおかげでなかなか出場機会には恵まれませんでしたが、リヨンでのパフォーマンスやEUROでのパフォーマンスを見る限り、コンディションは良さそうです。
リヨンの攻撃陣に新しい風を吹かせてくれることは間違いなさそうです。
次に、ボアテング選手です。
先日行われたEUROには参戦しませんでしたが、実力的には申し分ありませんでした。しかし、所属クラブのバイエルンでは若いタレントの台頭もあり、年齢のせいか契約満了による退団が発表されていました。
正直、彼がフランスリーグでプレーするというのは若干もったいないと思います。しかし、フランスリーグでプレーすることで彼と対峙することで大きく飛躍する若手も出てきそうですね。
そんなリヨンですが、今夏から新しくピーター・ボス監督が就任しました。
EUROに参戦している選手が一定数いたこともあったのか、現在はリーグ9位となっています。しかし、戦力値的にはフランス上位の力があることは間違い無いので、これからの浮上に期待したいところです。
②レンジャーズ
レンジャーズです。
レンジャーズは過去に55回スコティッシュ・プレミアリーグを制しています。また、カップ戦は33回制したことがあります。
実際に、2020-21シーズンにスコティッシュ・プレミアを制覇していますが、この優勝は2010-11シーズン以来、10年ぶりの快挙でした。
それまで、スコットランドはセルティックの1強が続いていましたが、レンジャーズはスティーブン・ジェラード監督が就任してからチームは上昇気流に乗っていき、ようやくリーグ制覇をすることができました。
選手に目を向けると、スコットランドリーグで活躍した選手はプレミアリーグに移籍する傾向があります。しかし、今夏の移籍市場においてレンジャーズからプレミアリーグに移籍した主力はいませんでした。
特に、攻撃的なポジションで活躍するイングランド人のライアン・ケント選手が移籍しなかったのは大きいと思います。市場価格も1400万€あり、24歳というまだまだ若手ということもあって、ブライトンとかは好きそうな人材です。もしかすると、来夏には移籍するかもしれませんが、もう一年間レンジャーズでのプレーをみれることは嬉しいです。
昨シーズン、制したメンバーが残留し、継続路線で新シーズンに入れるレンジャースにとって一番の目標は国内リーグ連覇でしょう。
セルティックは、後々詳しく書きますが、元横浜Fマリノス監督のアンジェ・ポステコグルー監督がチームに新しい戦術を植え付けている最中です。
彼らの戦術理解度が高まった時にレンジャーズがセルティックよりも上の立ち位置にあることが必要最低限でしょう。また、現在しっかりとリーグ首位をキープしているので期待も高まりますね。
③スパルタ・プラハ
スパルタ・プラハです。
その名の通り、プラハに本拠地をおくサッカーチームで、チェコの国内リーグを12回制している名門です。チェコの国内リーグでいうと、同じくプラハに本拠地を置く、スラヴィア・プラハも同じくらいの名門です。
しかし、1番最近の優勝は2013-14シーズンまで遡らなくてはいけません。
一方、地元のライバルのスラヴィア・プラハは3連覇中で、そろそろ国内タイトル奪還をしたいところです。
そんな、スパルタ・プラハですが、1番大きいのはダヴィド・ハンツコ選手を完全移籍で獲得できたことでしょう。
昨シーズンは、イタリア1部のフィオレンティーナからの期限付き移籍という形でした。彼は、現役のスロバキア代表選手でもあり、国際経験も豊富なのでUELの舞台でも心強い味方となるでしょう。
一方、放出に目を向けると超主力級の選手は移籍しませんでした。これは、ある程度の戦力値を維持できたということの裏付けでもあります。
スパルタ・プラハは国内リーグの奪還が至上命題ですので、これは大きな「補強」と言えるのでは無いでしょうか。
④ブレンビー
ブレンビーです。
デンマークリーグというのは、なかなか日本人にとっては馴染みのないリーグだと思います。基本的に、このブレンビーとコペンハーゲン、ミッティランが有名なチームではないかと思います。
日本関連で言うと、今夏の移籍市場で浦和レッズに加入したショルツ選手の前所属はミッティランです。
そんなデンマークリーグでブレンビーは11度のリーグチャンピオンに輝いた経験があります。実際に、2020-21シーズンの国内王者ですが、「国内敵なし」と言うわけではなく、その前の優勝は2004-05年まで遡らなくてはなりません。
また、昨シーズンを除くと2017-18にカップ戦を制したのが最後のタイトルで、このタイトルも10年ぶりのものでした。
1990年代後半から2000年代初頭にかけては国内タイトルを多数獲得していましたので、全盛期に比べると若干国内での立ち位置が低くなってしまっていると感じます。
今夏の移籍市場を見ると、リンドストロム選手とユング選手の移籍は非常に痛いと言えるでしょう。
リンドストロム選手は2000年の2月29日生まれの(閏年!!)デンマーク人選手です。
まだ、21歳と若手ではありますが、フランクフルトでは日本代表の鎌田選手や、ノルウェー代表のハウゲ選手とポジション争いをしている中で継続的に試合に出場しており、今後フランクフルトからさらなるステップアップも見込まれます。
また、元ドイツ代表のユング選手は契約満了に従いブレーメンに移籍しました。契約満了に伴う移籍ですので、移籍金は発生しません。
ブレンビーでも不動の左サイドバックであった彼はブレーメンでも主力に定着しています。
今季は、彼の穴を誰が埋めるのか注目です。また、今季は3バックでウイングバックシステムを採用しているので、想像より穴は少ないかもしれません。
今年のブレンビーは国内リーグでの連覇が最優先事項になるでしょう。1990年代後半から2000年代初頭の黄金時代の再来のためにも、このことは至上命題です。
逆に、UELでの勝ち上がりはボーナス程度の立ち位置ではないでしょうか。
UELに力を入れるあまり、国内リーグが疎かになっては本末転倒です。
まとめ
今回は、UEL2021-22のうち、グループAに関してみていきました。
グループAはリヨンが首位になることが予想されます。しかし、圧倒的に戦力がずば抜けているわけではないので、他の3チームにもチャンスはありまくりです。
UELはなかなか見ることはできませんが、ハイライトだけでもチェックしておく価値はありそうです。
最後に
今回は、記事を見つけていただきありがとうございます。
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