#36 どうでもいい女
もっと早くこうすべきだった、とどれだけ後悔しているか。
出来たはず。もっと早く…。
昼帰りの嘘だけならともかく、
話をすればするほど、むしろ真実を見つける方が大変な状況でした。
「なんでアクビちゃんが息子の名字を名乗ってるんだろう?って思ったわよ。
まさか籍を入れてるなんて。
あの子の目的は何なのかしら…。」
彼には秘密で情報を交換することを約束して、
味方が出来た安心感はありましたが、
何も解決はしていません。
「今から戻る」
という彼に、
「いま、普通の顔して会う自信がないから実家に帰る」
と伝えると、泣きそうな溜め息をついて、
「1分後にまたかけるから待って!まだ行かないで!」と。
1分後にかかってきた電話は、知らない女の声が。
「幼なじみなんですよー。
昨日は久しぶりに会ったので楽しくてー、
さっきまで飲んでたんですー。
心配させちゃってすみませーん。」
は?
こういう事がプラスに働くと思っている時点で終わってる。
「私のお金で楽しく飲めて良かったです。
彼を出してください。」
携帯から離れたその女が
'Wao!She is sooo mad!!'
と叫ぶのが聞こえました。