#40 最後の大芝居~2
「まだ実家にいてもいいんだぞ。
お母さんの側にいてやれよ。」
寛大な事を言ってくれますが、この日は絶対に帰ると決めていました。
「大丈夫だよ。明日は銀行の日だし今日中に帰るよ。」
「あ、そう」
私が銀行の件を覚えていることに、
とてもとてもガッカリしたご様子で、
ここから彼の真骨頂が始まるのです。
★
夕御飯を何にする?
という単純な質問から、
「俺はコンビニに行ってくる」
と既にキレる準備は万端です。
「分かった」
今夜、二人で楽しいディナーをする訳にはいかないのです。
平和に明日を迎える事はあってはいけないのです。
お弁当を買って帰ってきた彼は、
家のレンジで温めに失敗し、
いよいよキレ始めます。
「ここの家の契約って最短でいつ終わりに出来るんだ?」