#19 一ヶ月の空白が彼に与えた影響
ほぼ一ヶ月、私からの手紙がstopして、彼に少し変化が起きます。
勝手に使ったクレジットカードの引き落とし分を「ここでは外に向かって出来るのは、ペンを持つ事だけです…。ここを出たらすぐに返金します」と言い続けていましたが、
「ペンと頭を使ってください。誰かに頼むことは出来ますよね。」という私の言葉に、
「友人に頼んでアクビの口座に振り込みをしてもらいます。」という手紙が届きました。
遅いんだよ!と腹が立ちましたが、振り返ればこれが私に間違った想いを植え付ける要素となってしまいます。
そんな事まで彼の計算だったとしたら、もはや天才詐欺師と呼ばせてもらいますわ。
私はこの手紙を受け取る正に前日、振り込みを確認してご丁寧に「日本太郎さん(仮名)から○万円の振り込みありましたよ」という手紙を投函してしまったのです。
そして、ルールを破った彼には『懲罰』という地獄が待っていました。
当然手紙を書く、出すことは不可。こちらからの手紙を受け取ることも出来ません。
この時点で、刑期は3か月残っていました。
この手紙を受け取って〔もしかしたらもう手紙は来ないかも〕という事には気付きましたが、こちらの手紙が手元に届くかどうかが定かでなかったので、とにかく送り続けました。
『懲罰』がどういうものなのか、調べてみると相当にキツそう…。
独居房でただひたすらに朝から晩まで胡座、正座で過ごす。
地獄や…。
それにしても解せないのは、彼からの手紙に「友人に頼んで振り込んでもらいます」という内容をハッキリ書いているのに、それで懲罰を受けることはなく、こちらからそれを書くと「ダメー!」なのはなぜ?
彼の書き方だと、本当にやるかどうかは分からないから?
とにかく、本当に振り込みがあったということと、私がNGワードを書いたことで彼が固い床の上に一日中正座をしているだろうこと、この事が彼に対して『申し訳ない』という気持ちを芽生えさせてしまったのです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?