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#52 生きた心地がしないってこういうこと
とは言え、
もはやお金もなく…
どこに潜伏すればいいのやら。
ヤツは私が家賃を払っている快適な家で、
温かいお風呂に入り、なんなら酒を飲み快適に過ごしている事は分かっている。
キーッ!
少しでも気を許すと怒りが込み上げるー!
お義母さんとはマメに連絡を取り合い、
離婚届を無事に手にするまでは、
二人が繋がったことはまだ秘密。
家の契約は3月9日まで。
それまでには荷物をまとめて出ていかなきゃいけない。
ヤツがその後も居座った場合、
契約者が私である以上、私に責任が発生してしまうので、
それだけは何とか避けたい。
そんなこんなをしているこの時、
奇しくもヤツの誕生日、2月14日。
「去年は塀の向こうだったけど、今年はアクビちゃんとお祝い出来るし良かったわ、と思ってたけど、とんでもなかったわね!」
とお義母さん。
戸籍のある目黒区役所へ離婚届を貰いにいき、
無地のままヤツに配達証明にて送付。
ご丁寧に切手を貼った返信用封筒も同封。
何て優しいんだ!と思ったけど、
送り返させるのが優先なので我慢!
置いてきた自分の荷物が、ヤツに荒らされているんじゃないか、と心配で仕方なく、
一方で、実家にいるしかない現状でも車を家に停めるのは危険だと、
かなり離れたパーキングへ停めに行く。
何枚かの下着と、実家に置いてあった1枚のデニムとトレーナーで過ごす毎日。
自分の居場所がどこにもなく、
明日どうなっているのかも分からず…
そうしている間にも、ヤツの買い物の支払いがカードで引かれていく…
過去を振り返っては自分のバカさに腹が立ち、
眠ることも食べることも出来ない。
この時がどん底。