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#88 投げやり
ヤツはついに、
唯一の砦だった母親のバックアップを失いました。
正確には、失っていたことを知りました。
実は、お義母さんからはもっと前に、
「もう我慢できない!平気な顔をして会うことが苦痛…。」
と打ち明けられていました。
あ、そんな時でも、
「アクビちゃんの苦しみに比べたらゴミみたいな事だけど…。
私の場合は自分の息子だし…ごめんね。」
と私への気遣いは必ずあります。
私たちはお互いに
こんな恥ずかしい話、誰にも出来ない。
という思いがあるので、
ヤツの話しはお互いでしか出来なくなっていました。
これから先もそうだと思います。
限界にいたお義母さんに、
「とは言え、ヤツにはお義母さんしか残っていないです。
最後の砦を失うというのは…」
と私が打ち明けるのを引き伸ばして貰っていました。
人として、親から捨てられるという事への、
その孤独感と言ったらとてつもないでしょう。
でもその時は、ヤツに対する優しさではなく、
矛先が私だけになってしまうことへの恐怖だったんだと思います。
だってこんな感じでしたから↓。