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introduction 〜心像劇場〜(ⅳ)
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作 :骨髄
ジャンル:幻想、ファンタジー
名目 :小説風、脚本風
大分手長くなっております、分割しました第四話、どうぞよしなに。。
第1話>>https://note.com/kotucotu_z552151/n/n1e9c99d074aa?sub_rt=share_b
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ーープルルルルッ
突如、内線電話が鳴り響く。青年が受話器を取り、暫くすると顔色を変えた。
青年 :まずい、洪水警報だ。
少女 :大変!
青年 :今回は一体どこからーー
人形 :ーーきゃあ!!
遠くで悲鳴が聞こえる。青年と少女は咄嗟に席を立ち、楽屋の外へ飛び出した。
少女 :マリー!!
青年 :書斎か。
客人 :え、あっ、ちょっと
出遅れた客人は呆然と立ち尽くしてしまった。一人取り残された楽屋は、改めて見渡すと無駄に広く感じられた。マスターさんは「書斎」と言っていたか。どんな部屋かはわかるものの、どこにあるのかは全く見当がつかず、探しに行くにしても客人はこの空間の勝手を知らなすぎたので、完全に困り果てた。
客人 :……とりあえず、土嚢探すか。
客人は廊下へ顔を出して、なんとなく自分以外に人がいないか確認して、楽屋の外に足を踏み出した。
ーーピチャ。
客人 :わっ……!
足元を見ると、もう廊下にまで水が溜まり始めていた。胃がきゅっと閉まるのを感じる。客人はいよいよ焦って、廊下を走り始めた。
手当たり次第にドアを開けていった。どこも似たり寄ったりな楽屋で、土嚢どころか、雑巾やバケツすらも見つからない。客人の綺麗に仕立てられたスラックスはびしょびしょに濡れて重たくなっていた。
客人 :ここまで探して掃除用具入れも見つ
からないなんてことあるのか……?
とうとう廊下の端まで来た。
客人 :あとは、この下か。
客人は右手側の階段に目をやって、ポツリとつぶやく。階下へ続く階段。足元に誘導灯が点いているが薄暗く、不気味だった。何より、途中からはもう浸水していて進めそうにない。きっとこの下に掃除用具入れがあったとしても使い物にならないだろう。
客人 :……あ、ホールの表門付近にモップ
か何かを見かけたような
***
少女 :ーーマリー!!
青年 :書斎からの浸水は、厄介だな……
二人は階段を駆け降りて、地下の書斎へ向かった。しかし、階段の踊り場で立ちすくんだ。
青年 :……これは!?
踊り場から先の階段が浸水している。青年が危惧していたより遥かに自体は深刻だった。
少女 :もうここまで……いつもより早いじゃ
ない!
青年 :考えている暇はなさそうだ。私は先
に司令部の方へ行く。エミカはマリ
ーと一緒にいてあげて。穴はすぐに
何かしらで埋めること。マリーを本
棚に近づけないで、何も読ませない
ように。
少女 :穴を埋めて、マリーのケアね。わか
ったわ!
青年 :気をつけてね。君まで呑み込まれた
ら大変だ。
少女 :もう、心配性。何年ここにいると思
ってるの?
青年 :ははっ心強いね。
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※ここからは本編と関係無いことを骨髄が延々と語ります。ご了承くださいませ……
先日、駅で人身事故を防ぎました。過去の栄光になってしまう前に色んな人に触れ回っている……という訳でもないのですが、目の前で人が死んでしまうのではないか、という恐怖は生まれて初めての経験でしたので。。あ、一応触れておきますが、自殺とかそういうものではありません、多分。彼のリュックにはヘルプカードが提げられていました。
今回の経験を受けてですね、“勇気”というものが、どれだけ大切で、どれだけ出すまでのハードルが高いのか知りました。怖いですよ、声なんて出ませんもの。
しかし、これだけは言えます。出した勇気は無意味になんかなり得ない。結果がどう転んだとしても、勇気を出した事実は讃えられるべき!皆さんも、何らかの出来事の中で自分に何か出来ることがあると思ったのなら、迷わず行動してください。自分の手に余る時は、プロに迷わず相談しましょう!少なくとも、駅員さんは迅速に動いて下さりました。あの時の駅員さん、本当にありがとうございました!
とはいえ、これは成功した私だから言えること。実際に勇気を出して失敗する人も少なくありませんですし、それで心を病んでしまう人もいます。失敗したことで助からなかった命があったなら、尚更です。その事実を差し置いて、自分の勇気に誇りを持てだなんて、無理な話です。“勇気”とは、どうしようも無いジレンマと共にあるものなのでしょう。気持ちと結果が比例しない、皆知っているからこそ土壇場で葛藤が起こるのです。もどかしい。
などと、長々語ってしまいましたが本編とは何ら関係ありませんね。しかし、私はこういうジレンマ的なものについて延々と考えるのが好きでして。。ひとまず、全駅にホームドアが設置されることを強く希望させていただきます。
お付き合い頂き、ありがとうございました。
そろそろコメディ的なのを描きたい。ので、近々描こうと思います。あ、心像劇場は暫くまだ続いていくと思います。気ままに追いかけてくださる方がいたら嬉しいな。それではまたお会いしましょう。骨髄でした
第5話>>https://note.com/kotucotu_z552151/n/na12553b14bbc?sub_rt=share_b