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骨髄バンクに登録していた私が骨髄提供した話12

入院2日目
痛かったのは、骨髄採取でできた傷のせいじゃなかった。
本当の理由は次回。

骨髄採取当日は、8:30に手術着を着て病室で待ちました。
昨夜24時以降、絶飲食です。
(タイミング悪く月経と被っていたので、本当は手術着の下は何も着用しないのですが、後ほど使用予定でもあるので昨日売店で購入した紙おむつを着用しています。)

担当看護師さんと一緒に手術室に歩いて向かいます。
手術室では、本人確認をしてすぐに自分で手術台に乗りました。
ドキドキです。怖くなってきました。

初めは仰向けで横になります。
麻酔が効いてからうつ伏せに体勢を変え、採取するのだそうです。
麻酔の前に、両腕に針を刺され、点滴が入ります。

そして顔にマスクをして、そこから濃い酸素が出てくると説明されました。

麻酔をしてから人工呼吸器につなぐまでの間、一時的に自分で呼吸ができなくなります。そうなっても脳など身体が酸欠にならないように、予め血液にたくさん酸素を含ませておくためだそうです。

そして『腕から麻酔の薬が入りますよ。』と言われると、めまいのような、天井が下から上に動いて見えるような、変な感覚がしました。

『〇〇さん、終わりましたよ!わかりますか?』

おお、これがあの噂の…
一瞬で起こされたという感覚でした。

先述の通り、起こされてから人工呼吸器の管をズルズルっと抜かれたのは覚えていますが、すぐにまた寝てしまったので、次に気がついたときにはストレッチャーから病室のベッドに移されていました。

点滴と尿道カテーテル、心電図モニターのコード、フットポンプにつながれていて、少しでも動いたら何か抜けてしまうんじゃないかと怖くてガチガチに緊張して横になっていました。
(フットポンプというのは、いわゆるエコノミークラス症候群の予防のために定期的にふくらはぎを締め付けたり緩めたりして、血流が滞らないようにするものです。)

そしてウトウトしては目覚め、を繰り返して夕方16時頃、腰あたりの痛みが強くなってきました。
このときは何の痛みなのか、わかっていませんでした。
採取の穴とは別のところに問題があったことが後からわかりました。

『痛みが強い時は痛み止めを足せますから。』という薬剤師さんの言葉を思い出し、次に看護師さんが点滴の取り換えに来てくださったら伝えようと我慢していました。

いつナースコールを押しても迷惑だと思っていたのです。
でも、その間にも痛みはどんどん強まり、涙が出てきました。

そんな時、主治医の先生が様子を見に来てくださいました。
骨髄はもう患者さんに届けられて移植されたと聞き、採取予定量通りに私にできる最大量をちゃんと採れたと聞いた時、とてもホッとしました。

で、なんで泣いてたの?となって、痛みを訴えたらすぐに痛み止めを点滴で入れてくださいました。
『遠慮しないでナースコール押してね。』と言われましたが、やっぱり遠慮してしまいます。

明日の朝まで絶食となり、水は飲んでいたと思いますが、その後も眠くて眠くてずっと寝たり起きたりを繰り返しました。
無事終わったことを家族や友達にLINEをしたかったのに、その元気もありません。


夜、口の中がどうしても気持ち悪くなり、歯磨きがしたくてしたくてたまらなくなりました。

初めてのナースコールが歯磨きセットを出してくれ、なんて申し訳なかったのですが、管につながれ身動きが取れないので自分ではできません。

歯磨きができて本当に嬉しかったです。
変でしょうか。
看護師さんは優しく使用後の歯ブラシを洗って干し、うがい受けに溜まった汚水の処理もしてくださいました。
こんなことでお呼びして、助けてもらえて、本当にありがたいです。

そこで元気が出てきて、痛み止めも効いてきたからか、やっと夫と子どもとビデオ通話ができました。
労いの言葉をかけてもらい、子どもには『帰ったら傷口の穴見せてね!』と怖いことを頼まれ、約束しました。

翌朝までやはり寝たり起きたり。
とてもとてもとても、長い1日でした。










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